'02年3号 No.46

☆作業日あれこれ

 1月23日の活動日は作業日和、定例の作業日以外にも連日されている炭焼き窯製作班はそちらに専念、他は草地や萌芽更新地での管理作業です。久しぶりに長刀モドキを手に隣の人の足を刈らないように気を付けながらの作業です。草地の管理は夏のセイタカアワダチソウとクズ退治についでのことです。今後、刈り取る回数を場所ごとに変えて変化を見ようかとも思っていますが、それには少し面積が少ないかなぁー。試行錯誤を重ねながらこの森を活かす、未だ定番の管理方法はありません。
 2月9日は、朝から雨が降り、かつて大雪の日にも中止になるとは疑うこともなく遅れていくと連絡をした伝説の主(もちろん、この日も人は集まり、雪の森の観察会に切り替えたのです。)から、ひどい雨やけどあるのと意外な電話があった他は全く問い合わせはなく、いつもと同じ人数が集まってきました。その中には、今まで京都から通っていたので、いつも最初にある観察会には参加できなかったけれど、今日からは隣町からなので参加できると喜んでおられた燻製おばさん夫婦の姿もありました。(活動に参加するようになって、こちらに本拠を移されてしまったのです。) 薫製おばさん(もとえ、お姉さん)とは、いつもいろんな薫製の差入れでお昼をにぎわしてくださるからです。
 この日は、県のエコライフ推進課の募集した環境ボランティア研修メンバーも加えての作業だったのですが、この雨にたたられて野外作業はしばらく模様眺めとなり、作業小屋で竹箸づくりに専念するグループも出ました。幸いに間もなく雨が上がり、作業内容を当初予定より変更しましたが、野外作業に取りかかることができました。炭焼き窯の製作、萌芽林の手入れ、観察路づくり、常緑樹の萌芽退治などの作業です。観察路造りは、現在の道は市発注の工事で整備したものですので、遊林会活動では始めての作業です。木を伐り、土をならし、踏み固めて道づくり。この森は平らですから土留めの必要はなく、簡単に行き止まりの道から連絡路となる観察路ができました。赤目の森の飯野氏は、里山を守るには、消えていく道の維持が大事だと常に発言されています。この森では、最初に活動を始めた頃は、歩ける道は2本しかなかったのです。現在も南の入口から管理道路として使用している清水(しゅうず)道と呼ばれていた道と、第2駐車場から林冠トレールの下を通ってこの道につながっていた道の2本です。
 遊林会の作業日には、雨でも人が集まることをあらためて感じた今回の作業日です。

☆炭焼き窯製作その後

 炭焼き窯の製作と平行して、合掌造り風の上屋の棟上げに山田親方がかかり、その日はささやかなお祝いを参加されている方々でしたのです。井上は、僕はあの内容でしたら同じ金額でホカホカ弁当に走りますと言っていましたが、他の皆さんには好評でした。次の日から屋根の波板張りが、これまた名人が現れて始まり、日曜日も弁当持ちで従事している山田親方の努力もあって、現在では上屋は完成、その屋根の下では、連日、キノコ博士と焼鳥名人を中心に炭焼き窯の製作が続けられています。命の洗濯をしている炭焼き名人が、姿は見えずとも作業を指示しているとの情報もあります。
 皆さんの力で、間もなく炭焼き窯が完成です。どんな炭が焼けるのか、どのくらいの時間で焼けるのか、最新の浦田式の窯を使った炭焼きが楽しみです。

完成した上屋と建設中の窯

☆冬の森観察会

 2月3日冬の森観察会は、この森でテンを見つけるなど動物通のフンコロガシ殿の担当です。動物たちの足跡が目立つ積雪を計画時から期待していたのですが、前日の天気予報では翌日は雪とのこと、何となぁと感心した次第です。しかし、そこまで。天気予報は外れ、快晴とまでは言えませんでしたが、まずは普通ならば観察日和と言える天候でした。先のフンコロガシ殿、前夜、動物たちにシーチキン・サラダを用意して、お代に雪がなくても足跡をいただく仕掛けをしていました。当日、森の中のレストランを回り、誰がお客さんだったのかを考えることになったのですが、相当な美食家でレタスや人参は残してシー・チキンだけを食べていました。足跡からタヌキのようですが、この森の食事情は、贅沢を言えず手当たり次第に何でも食べる状態(雑食)にならなくても、肉だけを選り好んでもお腹を満足させる余裕があるようです。(タヌキは雑食とばかりに考えていましたが、テンやイタチよりも肉食性の強い動物なのだそうです。) 彼の仕掛けをした場所は観察路と獣道(ケモノミチ)が交差して、我々、昼間のセンター職員のパトロールに代わって、夜に獣道を通って森の巡視に出かけるタヌキに嫌でも目に入る所です。シー・チキンだけを食べ、残りの野菜をばらまいているのですが、その場所をよく見ると線になってつながり、これがあの獣道かとわかるのです。これはこの視点を持って見ていなかった我々には新鮮でした。夜に獣たちが観察路と交差しながら、森の中を歩き回っている、別の森の姿を見た様に感じました。オオスズメバチの地中の巣、モズのハヤニエ(小さな蛇)、タヌキとテンかイタチの糞の内容物の観察など、冬の森は豊かな生き物たちの住みかであることを教えてくれています。冬の森は観察にもってこいの季節だです。フンコロガシ殿に感謝。

3月27日(水)週日活動森の居酒屋は3月6日
3月9日(土)午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-24-5658 Fax 0748-24-0752 当日連絡先:携帯(武藤)090-3729-2344
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

★河辺いきものの森情報

 森の説明板を見ましたか? オーチ殿は、図鑑より綺麗な色だと自画自賛しています。もちろんこれだけでは森を伝えるのには充分ではありませんが、やたらとあるのも興ざめで、難しいところです。一部は、今後、手作りの物で補足しようと考えています。
 もうすぐ、案内のためのパンフレットなどもできますが、一部の印刷物は有償にしようと考えています。お代はこの箱へという感じです。こうしたことを市でやりますと、有償の物は有償でなければならず、きちんと集金するための管理費用の方が高く付いてしまいがちです。それじゃどうするか? 遊林会の登場です。必要以上のサービスは有償という原則と、団体事業にして費用対効果を出し、加えて団体の活動資金源にもしようということです。
 河辺いきものの森オープンを、いつにするかという問題があります。いろいろと意見のあった展示ホールに展示物が設置されますと、やはり、一度正式オープンのセレモニーをしなければ区切りがつかないという事情と、春休み中に子ども達が利用できないのではと言う問題もあります。かくして、この森の区切りとしてのささやかなオープニングを3月19日にすることになりました。
 4月以降、センターの休館日は月曜日になる予定です。月曜以外の祝日と土日は開館します。もう少し詰めなければなりませんが、土日の家族や地域の団体利用と総合学習で利用する学校などのこと、そして当方の管理体制を考えてのことです。心配していることは、土日に行き所のない人達(誰のことでしょう?)の溜まり場にセンターや作業小屋がなるのではということです。そんな方には、自主的に自然観察会を開催してもらいましょう。毎日曜日、午後一時より自然観察会というのはいかがでしょう。あなたが解説者です。

★自販機コーナーをどうするか

 センターの展示ホールには、図書コーナーに接して自販機コーナーとして設計された壁面があります。確かに夏の暑い日など冷えた飲み物があれば、利用者にとっては便利なものだと思います。自分も自販機の恩恵に与っているのは否定しませんが、この森で自販機を置くことには抵抗があります。缶でなく紙コップや紙パックであればという意見もあります。まずは我慢をしてみましょう。どこまで続くか疑問はあるのですが、セルフ・サービスのコーヒー・コーナー&紅茶等(有償)を設置してみて、資金的にまわれなくなれば止める、まずは利用者の皆さんのマナーに期待してみたいと考えています。
 年が新しくなってから、気が乗らず仕事らしい仕事もしないで空を見ていた(村松氏談)ヘムスロイド村の家具作家氏を無理矢理軽トラに乗せ(この車、公用車らしくないですねぇーとおっしゃっていました。)、現場に連れてきて、セルフ・コーナー用のテーブル製作を依頼しました。設置する現場の雰囲気(楢材の床と杉板の壁)が気に入って創作意欲をかき立てたようです。隣の陶芸家の村松氏が、俺が頼まれているあの家具はいつ作ってくれるんやー、こっちもあの手で(無理矢理拉致して現場に連れて行く)やらんといかんちゅーことやなぁーとおっしゃっていました。(驚くべき早さで物は作られ、現在では既にしかるべき場所に鎮座しております。)

★朝日新聞のコラムと訪問者

 多くのマスコミでこの森のことを取り上げていただいていますが、少し毛色の変わった記事が朝日新聞のメールというコラム欄に載りました。
「・・・・足どりがゆっくりしているぶん、それだけ森が見え、森が聞こえてくる。・・・・冬だというのに森は音に満ちていた。水の音、風の音、そして木の葉の散る音。立ち止まると、もっとよくきこえてくる。しゃがんで目をつむると、その音は一段と大きくなる。地べたに座り込んで、音の世界に身をまかせた。人間のつくる音楽とは異質の音だ。・・・・そんなとき、確かに身も心もくつろいだ状態になっている。」(2月6日滋賀版)
 この森の理想的な利用者の姿が伝わってきます。この記事に感動したのですが、私だけではなかったようで、平日にも関わらず、その日の内に何人もの方々が森にやって来られました。ただ、森の中を歩くだけ、感想を聞き漏らしましたが、どの様に感じられたことでしょう。

★キリタンポ鍋前夜

 鍋の出汁にするのにビデオおじさんの地飼いの鶏をイタチよろしく狙っていたことは、先月号に書いていますが、なかなか連絡がありません。こりゃ、可哀想になって決心ができんのかな、今日は旅行とか聞いてるで、頭の黒いキツネになって留守の内に行くかいななどと焼鳥名人と話していたのですが、前日、ダンボール箱に入れられた地鶏と烏骨鶏が届きました。早速、焼鳥名人と井上助手、丸橋記録係で解体が始まりました。ビデオおじさんも勉強するのだと解説を聞いています。さすがに焼鳥名人です。鮮やかな手捌きで解説を加えながらの解体です。残酷という感じは全くなく、こんな風にすればどこかの学校の授業で、もめていたようなこともなんなんだろうと感じます。(あの場合は、親の意識に問題があるのでしょうが・・・・。) 解体後は、臓物の煮付けまで出まして、これは心臓、砂肝、卵管やなどといいながら味を確かめていました。助手は大きな寸胴鍋で骨を煮込み、浮き上がる油を取り除いて出汁を採っていました。翌日、キリタンポ鍋の中に確かにこの鶏が入っていたのですが、フンコロガシ殿が烏骨鶏の背骨を丁寧に味わっていたのは見たのですが、人数の多さに3羽の鶏はなかなかみんなにまでは行き当たらなかったのか、寸胴鍋の底に沈んでいたのでしょう。ビデオおじさんは、供養をしてやるのだと喜んでいただいておられました。

★3月作業日は、手打ちうどん

 手打ちうどんといえば、先日、自宅で研鑽を重ね家人をうどん三昧にして迷惑がられていた山田親方が浮かびますが、今回は讃岐うどんの本場仕込み、酒飲み大将一門によるうどんです。ソメヤンハサケガスキー氏は料理から解放されて、もっぱら飲む方にまわるのではと心配しています。それとも肴を作っていただくようにお願いしようかな?

河辺いきものの森 オープン式典(?)は、3月19日(火) 午前11時半〜 皆さんの参列をお待ちしてます!

発行者:八日市市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/index.html あなたの思いを掲示板へ(yuurinのuをカット)


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