'02年02号 No.45

☆作業日あれこれ

 12月26日の活動日は朝からみぞれの降る日でしたが、来る人は来るといういつもの感じです。作業をしようと思うと雨脚が強くなり、こんな日にしかできない遊林会のこれからのこと、NPO法人設立や会費のことを相談しましたが、結論は出さず問題として各自の胸にしまうことにし、天候の合間を縫って竹林の間引きにかかりました。お昼は澤田自慢の辛いカレーライスと差入れのローストチキンを見事な焼鳥名人の捌きでいただくことにしましたが、その内に天候は一層悪化し、いつの間にか作業小屋のストーブ前では軽い忘年会モードとなり今年の仕事納めの感じ。しかし、ちゃんとみぞれが止み、その後は作業再開となりました。念のため。
 1月の活動日は、遊林会を知る人は新年会モードと思うでしょうが、意外にハードな作業日だったのです。作業メニューは、伐採とホダ木作り、炭焼き窯製作、落ち葉掻き、朽木整理、竹林間伐、そして、ソメヤンハーサケガスキー氏を先頭に昼食作りです。振り返ってみると、どうも昨夏以降、午後の作業が手薄になっていたのですが、新年会でもおかしくないこの日の作業では、きっちりと午後もそれぞれの作業をこなしてしまい、こんなはずではなかったのにというメンバーも居たのではと考えています。(その代表が私なんですが。)
 毎年、1月の作業日の昼食は鏡餅を利用した餅三昧です。雑煮、善哉、黄粉餅に納豆餅、12月と違うのはつきたてか焼き餅かの差です。皆さんから差入れのおいしい漬け物を肴にこの日もそれなりに盛り上がっていました。このお昼がなければ作業はなんてつまらないだろうと思っているのは私だけではないと思います。

☆炭焼き窯製作始まる

ブロック積み最終ラウンド

 センターの前の整備も終わり、炭焼き窯を作る予定地も整地され、いよいよ延び延びになっている窯の製作だと思っていましたが、年が明けるとともに炭焼名人の活動が始まりました。黙々と予定地に縄を張り杭を立て、つるはしに鍬、スコップと道具を携え地拵え開始、12日の月例活動日に皆の知るところとなり、応援部隊が結成されました。しかし、その後の天候が悪くなかなか作業が実施できなかったのですが、17日午後に覗いてみるといつの間にか小さな重機が動き回って作業をしているではありませんか。真相は年末からちょくちょく進み具合を覗く元祖炭焼名人(かつて実際に炭を焼いた経験のあるYさん)が、午前中にみんなの作業をしている現場にやって来て「そんなら昼から家のを持って来ますワー」と重機持参で駆けつけたとのことです。恐るべし、この面々のパワー。あの山田親方は上屋を如何に建設するかと頭をひねっていますし(確認申請事務は川合建築士のお仕事)、だんだん炭焼き窯が現実のものになってきました。今後は製品の積極的な利用法を考え、活動の資金源確保のために販路を開拓しなければなりません。まずは大凧まつりのバーベキュウ用の炭の販売はいかがでしょうか。竹炭にこだわらず木炭も焼きましょう。
 この通信を書いている時点では、耐火レンガの路壁の支えになるコンクリート・ブロック積みがいろんな名人の方々の智恵の出し合いで終わろうとしていますが、窯の製作はまだまだこれからです。皆さんも参加していい汗をかきませんか。いろんな作業がありますよ。

☆アカゲラの観察

今年は群が目立つシメ

 1月の作業日では、大勢で見に行っても観察できないので自然観察会をこの森のキツツキの説明会に代えました。いつでも普通に注意すれば見られるコゲラと比較しながら、このところ目撃情報が頻繁にあり、お腹の下の方が赤くてコゲラより大きく見栄えのするアカゲラを写真を使って説明しました。キツツキはその特異な生態から皆さん知識としては知っているのですが、なかなか実物を見ることがなく観察できれば嬉しくなる鳥です。子ども達にこの森にはキツツキがいると話すと、多くの子が目を輝かせます。これは大人も同じで、「へぇー、この森で見られるんャー」と感激してしまいますし、ましてアカゲラは美しい鳥ですからなおのことです。かくして、この森に通ってアカゲラを観察しようという人達が出てきます。これは当方の作戦大成功というところですが、そう簡単には姿を見せてくれないのが常です。鳴き声はすれど姿は見えずのサンコウチョウでは早朝から何日も通って写真をようやく物にしたフンコロガシ殿(専門がフンコロガシ=スカラベ)もいますが、これでもラッキーな方です。私なんか県立大の野間さんにあそこにアカゲラがいると言われてから、実際にこの森で見るまでは丸2年かかったのですから。かつて私が水鳥保護を始めてすぐに珍しいトモエガモを観察できた(図鑑を片手に名前はわかったのですが、希少性は専門家に話して指摘されるまでわかりませんでした。)ように、ビギナーズ・ラックはあるのです。作業日の翌日、作業の疲れをものともせず早朝より執念で森に現れた人達がいます。いとも容易く、彼女等の前に姿を見せ、おまけに木くずまで散らかせて見せたのは、ホームページの掲示板にある通りです。私や彼女らの見たのは雌なのですが、井上は同時に2個体を見ており、つがいがいる可能性が大きく嬉しいニュースです。
 作業日以外にも森の散策とストーブの薪の管理においで下さい。こうした楽しみがありますよ。

2月27日(水)週日活動 森の居酒屋は2月6日
2月9日(土)午前9時(遅刻可)より作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-24-5658 Fax 0748-24-0752 当日連絡先:携帯(武藤)090-3729-2344
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

★センターの裏庭は農家の庭? 内緒話

 レクチャールーム棟とスタッフ棟に囲まれた浄化槽(土壌浄化方式の循環型の施設)のある裏庭的な造成した空間を御存知でしょうか。そこでは少しこの森の基本コンセプトと外れたことが行われています。最初に登場したのが愛知川の河原からやって来たアキグミ、次が余所で余った金柑、どうしょうもないのがピラカンサ、そうこうしている内に柿や無花果の苗も買って持って来た人があります。このエリアは、レンジャールームから小鳥が観察できることと、農家の庭につきものの果樹ならよかろうとしているところです。もう少し、余裕があります。皆さんならどんな木が思い浮かぶでしょうか。

★河辺いきものの森情報

 毎月、森の様子が工事の進展によっ変化するので来る度に皆さん驚かれるのですが、最終の仕上げ段階に入り案内板や解説板なども設置されそれらしくなって来ました。こうした森の変化や解説板の設置についても様々な意見があり、全員が良しとしないのはある程度仕方ありませんが、できれば皆さんに喜んでいただきたいものです。そんな中でいよいよ、展示ホールの整備工事が始まります。できる限り、多くの皆さんから要望のあった広く多目的に使える空間を確保しながらも、通常は森の情報や人と自然の関わりを解説する展示施設にせざるを得ません。多くの人の今の空間に対する想いは通じているのですが・・・・。大丈夫です、少し入れる人数は減りますがコンサートもできますし、ストーブの前でお話会もできます。
 役所は3月が様々なことの区切りですが、この森でも管理のための予算や工事の執行、人事異動などの面で例外ではありません。新年度は工事予算が無くなり、経常的な施設管理だけの予算になりますが、厳しい財政状況の中でどれだけの額が確保できるか頭の痛いところです。また、異動もなくやって来たスタッフもそろそろ入れ替えを覚悟しなければなりません。私と黄地は7年間、花と緑の推進室の仕事に従事してきましたが、この点で来年度も確実に動かないのは丸橋だけです。

★近江鉄道新駅(エコ・ステーション)その後

 幾度か新駅の問題について触れていますが、遊林会からもメンバーが参加した検討市民会議が既に2回開催されています。事務局は、企画課と花と緑の推進室が担当しています。2回目(1/16)の会議では、新駅を造るとしたら、どんな施設が必要か、どの様に環境にこだわるかが中心に話が進みました。最初に現地の地形等から敷地条件などを担当が説明し、それを受けてトイレや情報発信機能を備えた待合室、レンタサイクル置場、給水や電気をどうするかなどを話し合いが実施されました。最後にこれは試案ですがと座長の柴田いづみ教授の指導されている県立大学生が、私から聞いたこの森のコンセプトを受けて数日間、徹夜もして考えた内容3案についてのプレゼンテーションが行われました。いずれにも共通していたのは、我々のように現在の道路高まで用地造成をするという既成概念に囚われず、むしろ現在の水田のレベルとそうした土壌を活かしてビオトープ的にも利用するという発想です。費用的にも環境面でも優れており、これには全員、脱帽でした。今後、こうした発想を生かしながら実現に向かうものと思いますが、近江鉄道の経営面が厳しく利用者増のための対策、そして市の予算などいずれも難問が山積みしています。

★ラジオの生放送と慣れ

 第4水曜の定例作業日にたまたまKBS放送のサンサンワイド滋賀というラジオ番組(中継車が湖国のいろいろな人や物、催し、施設を訪ねてインタビューする生番組)で紹介されることになりました。簡単な紹介かと思っていたら通算40分もインタビューを受けることになっており、エーと思ったけれど後の祭り。何とか相手のうまさに支えられてこなしたつもりだったのですが、家に帰るとなんと連れ合いが聞いておりまして、厳しい指摘の山。
 その1.折角イベントの紹介コーナーが設けられているのにちゃんとした情報を提供できていない。減給ものだ!
 その2.インターネットで最新の情報を提供しているにもかかわらず、そのことに触れられていない。リスナーがすぐに行ってみよう、何をしているのかと興味を持っても充分にそれに応えられていない。
 その3.まとめて言えば、慣れてしまい新鮮な気持ちで如何に森の情報を人に伝えようかとの意識の欠如。仲間内のクラブ活動のレベルだ!(いい場所だから人に教えて俗化して欲しくない。テレビで紹介される料理屋のような気持ちも一部にはあるのかも知れません)
 一言も弁明することができず、確かに慣れが来てきちんと事前に準備をすることを怠っていたこと、そしていっぱい持っている情報を人が新鮮だと思うだろうに、相手の立場になって考えられていないことを痛切に感じた次第です。反省中です!

★やまんばの会より感謝状

 先月号で「やまんばの森」に看板を届けたことやアルコールについての認知度の違いに触れましたが、先日、先方よりその時の記念写真を入れた感謝状が届きました。作業小屋に飾っておきます。

★2月作業日はキリタンポ鍋

 毎年1月が鏡餅処分なら、2月はキリタンポ鍋が定番になりつつあります。給食の人数が多いため、前日から御飯を炊いてつぶしてヤダケに竹輪状に巻き付け、焼いてキリタンポ作りをします。前日(8日金曜日)のお手伝いをしていただけると助かります。
 キリタンポといえば比内地鶏とまではいかなくても、出汁はカシワ(鶏)となりますが、焼鳥名人は何時になったら俺に鶏を捌かせるんヤー、C.W.ニコル氏の合鴨を何百羽と成仏させてきた腕を信用せんかい!とおっしゃっています。井上はこの際、助手を務めて技術を習得しようと待ち構えています。かつて私の家でもそうでしたが、祭りなどのはれの日の前には卵を産むのが少なくなった鶏をどこの家でもつぶしてごちそうにしたものです。それは男の役割で、私の家では祖父の仕事でした。そういえば、ビデオおじさんのところに地飼いの鶏がいたナァー・・・・。生きた鶏、募集中です。

発行者:八日市市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yuurin/index.html あなたの思いを掲示板へ


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