'01年12号 No.43

★作業日あれこれ

 10月の第4水曜日の活動は、八日市高校生との共同作業にと今回は火曜日に変更しました。私は外出もできない塀の中にあるような研修施設に志願して入っていましたので今回の作業には参加できていませんが、短い時間であったけれども高校生達は慣れない鋸でアラカシの木を伐って薪作りや竹薮整理に汗を流したようです。力量に余るアラカシに鋸で挑戦したvものの木の堅さにお手上げ状態、そこを炭焼き名人が慣れた力の入れ方で軽く伐ってみせると高校生から拍手喝采だったとか。今回の高校生の実習に当たっては事前に里山の生態系の仕組みについて講義をし希望者が参加する形態を取っており、ある程度作業の必要性を理解した上での参加です。残念なのは、実質の作業時間が少なかったことです。これは、このところ連日訪れる小学校などの利用にも言えることですが。
 11月10日の作業では、薪ストーブの項で書いていますが、センターの冬越しの薪が不足して、このままでは春が迎えられないと薪作りが中心です。キノコのほだ木の確保も兼ねて、モミジの林の隣でサクラやツツジの日当たりを良くして樹勢を回復するために、コナラやアベマキなどの落葉広葉樹も伐採を始めました。直径30センチ近いアベマキやクヌギも伐っているのですが、これらの株からは萌芽はしないか、しても育つことはないようで、サクラやツツジをとるかこれらの木をとるか悩むところです。それは大きな面積を伐っているわけではなく択伐なので他の木の陰になり陽の光を充分に受けることができないからです。こうした作業で伐ると日陰に強いアラカシやネズミモチだけが萌芽をして復帰してくるようです。
 薪作り以外には、旬ですのでタケの間引きをしましたが、伐ったときに発生する枝は焚き火コーナーの焚き付けに使用しようと考えています。(センター前の同コーナーは好評で、帰ろうとしない人が増えて悩みの種になりそうです。何を勘違いしたのか、(魚などの食べ物の)串を突き刺す穴がないとの批判まで寄せられています!) この日はこの森が湖沼会議のサテライト・ステーションに指定されていることもあり、作業以外の人々の姿も森の中に見られましたが、作業時は良いのですが食事中の姿はどの様に映ったのか気になるところです。それが心配なのはあんたの姿だけやとの声もあるようですが。

☆「湖国ぐるり里山フォーラム」を終えて

デッキ晩秋

 11月11日、この日は快晴、部屋の中でのフォーラムが疎ましく思えるほどの日本の秋です。案の定、始まってみると会場では空席が目立つ有様です。しかし、お昼の時間になるとどこに人間が居たのかと思うほどの参加者です。イワナを焼くとかおでんを温めるとかお昼のお手伝いという言葉に隠れて外でスピーカから流れる声を聴いて(?)参加していた人間の多いこと。挨拶に駆けつけた市長の手前、少々出席者の少ないのを気にしていたのに、雲一つない戸外で秋の一日を楽しんでおられた皆様、これも遊林会スタイルかも知れませんナァー。
 フォーラムのパネリストは、杣の会(朽木村)・今北哲也(以降敬称省略)、あいば里山の会(新旭町)・饗場英隆、こんぜ桃源郷(栗東市)・澤九麻男、やまんばの会(近江町)・大林文彦、琵琶湖バレー自然塾(志賀町)・赤澤一壽、大阪自然環境保全協会・常俊容子、会場には急遽訪れた赤目の里山を育てる会(三重県名張市)・飯野雄二、薮こぎ探検隊(志賀町)・深町加津枝などという豪華な顔ぶれでした。フォーラムはそれぞれの活動経過と現状から入り、問題点へと進みました。その中では、里山問題を環境面からアプローチする遊林会のような立場に対して、活動が経済的効果に結びつかなければ意味がないという意見が今北氏や饗場氏、澤氏、そして会場の飯野氏などから出され、出発点の違いを認識することとなりました。里山七彩での小池さんの講義の中にも里山保全が経済的意味を持たなければ活動の永続性や普遍性は難しいと言った意味の発言もあり、活動の継続と拡大には経済の確立は避けて通れない重要な問題だと考えます。
 一方組織存続に重要な会費問題については、しっかりと会費といえるものを徴収しているのは大阪自然環境保全協会だけ、他は通信費程度で会費が会の運営に貢献しているケースは皆無です。活動の資金後援者は、企業(琵琶湖バレー)、行政(やまんばの会、遊林会)、利用者(杣の会、あいば里山の会、こんぜ桃源郷)という感じです。いかに里山を金にして自立するのか、会費なのか産品なのか交流者からの利用料徴収によってなのかはそれぞれの課題です。遊林会は活動参加とは関わりなく会の運営を支える会員による会費納入を活動資金にできればと考えています。聞けなかったことは活動拠点の有無とあれば内容、充分に議論できなかったことは永続性と組織の問題です。
 フォーラム後、焚き火を囲んでの談義は延々と続いたのですが、せっかくこうしたネットワークができるのだから、これからは今までのように個別に意見を述べるのではなく、こうした活動の連合体として県レベルでの発言をしようとの意見があり、今回の成果かなと考えています。
 会議の中で最後に宣言を出そうと提案があり、お昼に充分に食事をすることもなく叩き台を創ることとなりました。そのために午後の進行も無事にできたという話もあります。(なぜでしょう?) 会議で採択された「湖国ぐるり里山フォーラム」宣言は別紙のとおりです。

12月26日(水)週日活動 森の居酒屋は12月5日
12月8日(土)午前9時(遅刻可)より作業開始 午後は忘年会
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-24-5658 Fax 0748-24-0752 当日連絡先:携帯(武藤)090-3729-2344
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:seizo-mu@mx.biwa.ne.jp

★森の居酒屋営業広告

釣れたぁ!
水野政雄画(寄贈)

 作業小屋のストーブの近くの壁に「秋の夜長、森ではあやしげな宴が開かれるそうな」と解説の付いた水野政雄氏(先日、作品展とクラフト教室を図書館とセンターで実施)の絵のコピーが張ってあります。洞穴の中でクマやアナグマ、ウサギなどの動物が集まって宴会を開催中、それぞれの動物をこれはあんただとかあれは誰それだという想像がすぐに出来てしまう絵です。森の居酒屋は、作業内容や今後の遊林会の問題などを薪ストーブを囲んで話し合う楽しい一時です。開店は第2土曜日の週の水曜夜7時頃から、参加費(夕食代)は1,500円以内、どなたも歓迎、河辺の森や遊林会の活動を考える場です。あなたも秋の夜長・・・・の絵の中の動物になりましょう。
 追伸:前述の水野政雄氏から、作品返却に郡上八幡の自宅にお伺いした際にセンターのために描かれた水彩画を戴きました。山椒魚が愛嬌のある得意満面の顔で釣り上げた魚を頭の上で遊ばせている(?)絵です。最近は行くこともできませんが、自分自身がイワナを始めて釣った時を思い出させてくれるような楽しい絵です。タイトルは「釣れたぁ!」、センターの図書コーナー壁面に飾らせていただきます。作業小屋の壁と共に一度ご覧あれ。

★河辺いきものの森情報

 工事も終盤に近づき、センター付近の様子は毎月激変状態です。そんな整備中の施設ですが、先週まで本当に毎日1日も空くことなく小学生や幼稚園・保育園の子ども達がやって来てドングリをみんな袋にいっぱい持ち帰っていました。(でも、この森はドングリだらけでネズミたちが食糧不足に陥ることはなさそうです。) 下調べを兼ねて訪問される先生方と来年から始まる総合学習を踏まえ事前打ち合わせをし、あらかじめ準備をしたりアドバイスを出来るように心掛けていますが、突然現れて嵐のように去って行く学校もあり何をしに来たのか首を傾げるような利用もあり苦笑しています。休日にも地域での取組を考える皆さんの視察や親子連れの利用、時にはガール・スカウトが焚き火コーナーの周りで活動したりと賑やかになりつつあります。冬の森はこうした利用も一段落つきますが、来年以降はこうした時期の利用プログラムも充実させようと考えています。
 センター正面の炭焼き窯設置場所の工事もまもなく終わり、いよいよ、窯の建設が始まります。12月になれば天候と参加する人と相談しながらの連日の作業になるかと思います。皆さんの参加をお待ちしています。

★薪ストーブのこと

 ストーブに火を入れることが多くなり、私は嬉々として許される火遊びに専念しています。このセンターの設計の際、薪を消費する目的以外にも建物から煙が上がっていることや炎が見えることが人の心を温かくするからと薪ストーブの設置を強く求めた経緯がありますが、その点では失敗をしてしまったようです。このストーブは、現在も日常の道具として使われ改良されている国で生産された物を使いましたが、それが失敗の原因でした。ほとんど煙を出さないのです。薪の燃える熱で排気ガスを燃焼させる装置がついており煤などを燃やしてしまうので、煙突からは透明で高温の排気ガスの陽炎しか見えません。着火も簡単で室内でも薪の燃える音や臭いが全くと言っていいほどしませんし、完全燃焼をするために残る灰もわずかで1週間くらいは掃除しなくても問題がありません。かくしてその性能には感心するけれど、癖があって自分しか使いこなせない昔の車やバイクのような面白さはないなと贅沢なことを考えてしまいます。今も薪を燃料として使う国ではストーブも改良されており、白色や黒色の煙をもくもくと出すけれども情緒のあったダルマストーブの世界とは別物だと思い知らされました。しかし、このことは住宅の間取りの問題(熱量が大きく小さな部屋には向かない。)がありますが、現在の日本でも暖をとるための道具として一般住宅で充分に使え、そうなれば森林の荒廃を防ぎエネルギー問題の改善に役立つなぁと火遊びの中から感じた次第です。
 問題も発生しています。薪はストーブの中で完全燃焼するのですが、この燃焼するスピードが考えていたよりも早く、一日に消費する薪の量が馬鹿にならないのです。火力を絞っていても3束以上の薪が必要で約5ケ月間では500束以上になります。それに作業小屋のストーブの分も必要です。現在のストックでは春を迎えられそうになく、センターで凍え死にをしないために薪作りをしなくてはなりません。こんな風に書くと夏の間キリギリス的生活をしていたようでいけません。しかし、皆さん、作業日には協力をお願いします。安定した燃焼には10p以上の太い薪、火付けの際には数pの細い薪が必要です。

★ホームページを開設しました

 遊林会のホームページは、10月の河辺林通信で間もなくスタートと書いたのですが、実はその日には既に開設されており、翌日に見たというメールをもらってこちらがあわてた次第です。担当は井上君でマイタケ同様に死ぬ間際まで運用マニュアルを独占しないように言っています。この通信のバックナンバー以外はこれから充実させなければなりませんが、それでもようやくホームページをスタートできたと喜んでいます。遊林会の資料希望者(それなりに需要があるのです。)にもホームページをご覧くださいと言えるようになりました。通信には紙面の都合で載せられないタイムリーな森の四季情報なども充実させたいと考えています。読者のための掲示板もありますので、皆さんに知らせたい情報などを読者の側から書き込むこともできます(只今、2件の書き込みしかありませんが)。開設から1ヶ月後の現在の訪問者数は300人余りで、その内には何度も訪問していただいている方もあるので、一体どれだけの人に読まれているのやら?
 皆さん、遊林会の活動について尋ねられたら説明するだけは説明して、不明な点はホームページを見て下さいと言えますよ。少し、活動があか抜けした感じです。

★12月の作業日は忘年会メニュー

 12月です。午前中はいつも通りの作業をして、お昼から忘年会です。餅つきをしましょう! おろし餅やあんころ餅、納豆餅などいろいろ、もちろん、忘年会ですから例の物もたっぷりと用意しましょう。お子さんやお孫さんもいっしょにどうぞ。ただし、酔っ払いに免疫のある子に限ります! 雨が降っても雪になっても大丈夫です。作業小屋があるってありがたいですね。

発行者:八日市市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会ホームページは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yuurin/index.html 河辺林通信バックナンバーもご覧になれます!


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