'01年06号 No.37

★作業日あれこれ

里山七彩:フィールドで解説 野間講師

 4月25日の平日作業日にはNHK取材班がやって来ました。この通信が届く頃には既に放映(5月7日)は終わっていますが、竹炭焼きや薪作り作業、参加者のコメント、林冠トレールの撮影に、アラカシを伐ってみんなで捌く場面もサービスしてしまいました。打ち合わせしたわけでもないのに鮮やかなチームワークで見る間に跡形もなく処分されてしまい、日頃の成果に撮影クルーも驚きの様子でした。
 5月12日の作業日にもテレビの取材がやってきました。県広報番組「淡海ファーストサンデー」わくわくNPO倶楽部製作チームです。(放映は6月3日 30分番組 12:00〜&18:00〜) 取材を皆さんにお知らせもしなかったので、少々参加者数が気になっていたのですが、いつもの通り大勢の参加者がありほっとした次第です。偶然にもこの日は県立大の荻野、柴田両先生とゼミの学生、龍谷大の金子先生、もう一人意外な大物、只今浪人中の武村元大蔵大臣と豪華な顔ぶれで好例のお昼の自己紹介(初めて参加した人が一言)も格調高いものになりました。しかしこうしたことにかかわらず遊林会の活動は現場作業が基本です。この日はタケノコ退治を予定していたのですが、4月からの小雨のためにけんか相手が姿を見せてくれていません。(お昼の材料にも困ったのですが、自称「山番」さんが早朝より自分の竹薮の孟宗竹のタケノコを掘りあく抜きをして届けてくださいましたのでタケノコづくしの料理が並びました。) これから9月までタケやササとの闘いが作業の中心なのですが、出発点ですかされた感じです。そんなわけでタケノコ退治はできませんでしたが、竹薮内に放置されて見苦しい伐採後のタケの整理にかかり1/3程の面積を終え見違える感じにしました。 この整理して運び出したタケ、来月には村松窯でタケだけを燃料にした焼物を焼成する実験に使います。氏から作品の提供を受けますが、タケの灰被りのぐい飲みはどんな感じに焼き上がるのでしょう。味のある作品になれば、里山で時代に見放されたトラブルメーカーのタケを更生させる取組だと自画自賛しています。薪と異なり、燃焼時間が短いために燃料補給が忙しく窯焚きに手が掛かりそうです。金曜日の夜から日曜まで二昼夜の徹夜作業になりますので交代要員が必要です。あなたの応援を待っています。

★ソメイヨシノばかりが、サクラではなし&+α

W氏のカスミサクラ

 通信、30,31,32号でこの森のサクラ救出作戦にふれていますが、今年の春、サクラ達はどんな具合だったのでしょうか。この森ではヤマザクラが少なくソメイヨシノが咲き誇る4月上旬(ヤマザクラはソメイヨシノと同時に咲きます。)にはサクラの花を見ることはほとんどできず、4月第2土曜の作業日にはお墓近くで1本の開花を見ただけでした。周りのコナラやアベマキの高さに負けてしまい、生きているのがやっとで花は咲かせてくれないのかと諦めていると、20日位から次々とサクラの花が新緑の増した森の奥で目立つようになりました。カスミザクラの花で、ヤマザクラとは異なり葉の色も赤くありません。しかし、陽の光を受ける梢にしか花を付けませんので、森の中を普通に歩いていると頭上に咲いている花に気付かない人も多いようです。モミジの森の周辺にはサクラが多く生き残っているのは特徴のある樹皮でわかりますが、改めて花の時期に見回してみると梢で何とか花を咲かせている木と半分枯れたような状態の木が多いことに気付きます。(このことについては昨年の通信30号「山桜(?)救出作戦」で詳しくふれています。)そんな中で昨年の秋にW氏の献身的な作業で充分な陽の光を得るようになった木よりも大きなサクラが常緑樹の頭上に見つかったのは嬉しいニュースですが、サクラの生存にとって依然現在の森は厳しい状態であることに変わりありません。今年の作業でも継続してモミジについでサクラを生かすために大胆な除伐を実施して「桜の園」を造りましょう。サクラの受光を妨げるアラカシを夏にコナラ、アベマキを秋に伐って、それぞれ薪と椎茸栽培の原木に有効利用を図る予定です。そうしなければ、里山ではサクラは他の木の生長に負けてどんどん本数が減ってしまう木なのです。この森の中では立ち枯れの木の多くは、こうした戦いに負けたサクラの木です。

★時間外の授業

 作業の終わった後(5/12)、センターで消防学校教官殿の環境に優しいエネルギー政策の研究レポート発表がありました。作業後ということでさすがに参加者は少なかったのですが、環境には優しいがコスト的に不利な木材や風力、太陽光を利用した発電に対して、通常のコストとの差を環境税(地方税)として電力料金に加算して徴収した税から補填するという案は、地方税ですから県民さえその気になれば実現可能な提案ではないでしょうか。各家庭で1KW当たり1円負担すると月々の支払いはペットボトル1本程度の増になります。このコストが高いか安いかは県民の議論が必要ですが、検討すべき価値があるのではないでしょうか。意見交換の中では、燃料電池が各家庭へ設置できるような事態になれば発電事情は激変するが、水素ガスの供給源を天然ガスや石油に求めればやはり炭酸ガスによる地球温暖化の問題は完全には回避できないという話も出ていました。真剣に考えた課外授業でした。あなたも意見発表を!

6月27日(水) 週日活動を実施!
6月9日(土)午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-24-5658 Fax 0748-24-0752 当日連絡先:携帯(武藤)090-3729-2344
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:seizo-mu@mx.biwa.ne.jp

★作業検討会議の開催はいかが?

 作業小屋は遊林会の倶楽部ボックスのようなものです。(もちろん、生徒や大人達のクラフトや活動の場としても使用します。) 現在はストーブしか置いていませんが、間もなく中学校の技術家庭教室にあるような作業テーブルや椅子が入る予定ですし、店仕舞いされた旅館新角(当市助役方)の協力で大型冷蔵庫も入ります。
 今まで毎月の作業などについて事務局だけで決定していたのですが、今後はできるだけ事前に相談しながら決めていければなぁと考えています。どうでしょう、例えば第2土曜日の前の水曜日の夜に作業検討会議やこれからのこと、情報交換を集まれる者でするというのはいかがでしょうか。テーブルや冷蔵庫と事前協議などの関係は想像に任せます。自転車、あるいはお迎え付きで来られることが必要条件です? 会費制にしましょう、1回2千円(飲み物不要の人は半額)では高すぎますか? 皆様のご意見をお待ちしています。会費不要の検討会議だけというのもいいとは思いますが。
 森の中ではクヌギの木にオープンしたバーにカブト虫やスズメバチ、チョウなどが集まっていますが、作業小屋には魑魅魍魎の類が寄って相談しているという感じかもしれません。問題が多いかな?!

★「河辺いきものの森」情報

 「5月×日に遊林会スタッフと花と緑の推進室の職員がネイチャーセンターに移動しました。」と書きたいのですが出遅れています。窓際から窓の外へは少々ためらいがあるのかと苦笑しています。当分の間、事業のない休日は県立大学の学生諸君に留守番をお願いしていますが、正式オープンの来年以降には勤務態勢も変更することになります。ネイチャーセンターや森自体の管理について、設置者である市から管理業務の一部を遊林会で受託し、協同であたるようにする計画です。必要な規則の制定なども進めて効率的で血の通った運営をしたいと考えています。森の材料を使ったお土産(ミュージアム・グッズ)なども考えてください。遊林会で販売できるようにしましょう。

★連続講座のスタート

 去る5月15日に、「里山七彩」と「子ども達に伝えたい自然の楽しさ−まずは先生から」と名付けた連続講座がスタートしました。(1回目は里山概論として両講座共通) 私は、この森を多くの学校に利用していただくために、交通手段としても環境に優しい近江鉄道の臨時停車場問題で市長・企画部長に同行して県庁に行ってましたので、最初の野間氏の講義は聴けませんでした。不本意ながら平日の昼間(教員の方々の都合のため)という条件のために、動員をしない遊林会のやり方では何人参加するか心もとなかったのですが、遅れて森に到着すると二つの駐車場は満杯、これからフィールドで野間氏の話を聞く人たちでセンターの前は黒山の人だかりでした。居合わせた新聞記者の方々も皆さんの関心の高さに改めて驚きの様子でした。参加者60人、早速、朝日新聞、京都新聞、当地で圧倒的な影響力のある滋賀報知新聞にそれぞれ写真入りで取り上げられより大きな反響を呼びました。また、ネイチャーセンターの役割などについてもカラー写真入りで朝日、中日の各新聞に別記事で記載されました。このような記事と今までの活動の積み重ねの結果、整備途上ですが、既に県内外の中学校から14年度から始まる総合学習を意識した体験学習の問い合わせがあり、この森へ来るための臨時停車場(エコ・ステーション)設置は必要だ、多くの子どもたちをこの森へと強く感じています。
 今回の連続講座は、滋賀の里山保全活動は八日市のこの森からの意気込みで取り組んでおり、県内で夢〜舞めんと滋賀で里山問題に関係した行動を考えられている団体にもお知らせをしたことや、朝日新聞で事前に講座内容を記載いただいたこともあり、市外の方の参加も目立っています。次回からの里山七彩(定員制限なし)の講師陣についても驚嘆の声と共に、里山の問題をこのような切り口で捉えた講座にお誉めの電話もあります。(自画自賛 講師の皆さん!安い講演料で申し訳ありません!) 次回の講座は、6月1日午後7時より小椋純一京都精華大学教授担当です。
 「・・・まずは先生から」の講座はまだ少し余裕があります。別に市内の先生だけに限りません。長谷川有機子さんのイヤー(耳)ゲームの実習は、とても忙しい人ですので実際に指導を受けることはこれからは困難になるとか思います。次回の講座は、6月5日午後からです。こちらは事前申込を。

★「河辺林通信」 37号の発行

 河辺林通信の発行が37号を迎えました。毎月発行ですので、4年目に入ったわけです。現在の様式になったのは2年ほど前で、それまでの1年近くは作業日のお知らせを連絡するだけの内容に近いものでした。発行部数も50部以下から現在では400部になっています。カラーコピーの経費が大変だねとおっしゃっていただく方もあります。最初は全部数をカラープリンターで印刷していたのですが、発行部数が増えるに従いリソグラフによる文字部分の印刷とカラープリンターによるカラー部分の印刷と重ね刷りをして、経費を安く上げるようになりました。ナンバーを付けるようにとか、綴じ代の部分を設けるようにとか、読んでいただいているからこその助言をいただいたこともあり、その都度対応してきました。現在の悩みは私好みの蛇足記事が多くなってしまい、肝心な行事などの記事欄が不足することです。しかし、お知らせだけの会報にはしたくはありませんのでと居直っています。その方は、丸橋のネイチャーセンター便り(いずれ発行すると思います。)とホームページに任せましょう。
 バックナンバーも整理しましたので、ホームページ作成に併せて閲覧できるように計画しています。ただし、現在のファイル形式が一太郎ファイルですので、ホームページで読む場合は様式が異なることになります。メールでの送信も検討中です。5年後、10年後を目指して今後も遊林会の情報を伝えるつもりです。

★6月の昼食も、勿、タケノコづくしです

5月の作業日にはハチク(淡竹)のタケノコが間に合わず、差し入れのモウソウチク(孟宗竹)で間に合わせましたが、6月は大丈夫でしょう。タケノコ一杯の昼食を用意したいと考えています。前回は参加者が多く量が間に合わずに賞味期限切れの乾パンでしのいだ方もありましたので、次回は充分に用意します。

「みどりのつどい」、ご協力ありがとうございました。テレビ放映は、6月10日18:30〜45 再放送6/17 18:45〜19:00
発行者:八日市市緑町10-5 八日市市役所 花と緑の推進室内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-24-5658


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