'01年04号 No.35

★作業日あれこれ

 3月の活動日は木曜日に降った雪が森の日陰に残っている状態でしたが、誰からもこの天候でどうだとの問い合わせもなく、始まってみれば予想を超える50人ほどの参加者がありました。参加者の中には、この日が初めての女子学生モドキ(? 学生ですかと言われてご機嫌、この森の中では、今後、学生にしときますとのこと。)のお二人の姿もありました。以前より気になっていました初めての人が参加しづらい雰囲気だったかどうかと訊いてみたのですが、参加する前はその心配をしていたけれども、活動を始めると取り越し苦労でしたと答えてくれました。男性には訊いていませんので結論は出せませんが、とりあえずこの森ではメンバーの皆さんは女性には優しく、初めての人も違和感無く仲間に入れるようです。男はどうか?
 この日の昼食は、獣医さんから差し入れのあったシシ肉の鍋と韓国風の鳥のスープ、炊き込みご飯の献立でとても好評でした。当方の悩みは、次の献立は何にしようかということです。5月、6月は、御存知、タケノコづくしなのですが・・・・・。
 作業内容は、シイタケのほだ木づくり、前回と28日の週日活動に引き続き萌芽更新の森づくり(高木に成長しているコナラやアベマキ、クヌギの伐採&記録)、そしていつもの炭焼き、薪作り、昼食の用意でした。そうそう、Wさんが巣箱を製作してこられたので、作業している周りの森に4個を取り付けました。小鳥の巣作りがもうすぐ始まりますのでタイムリーな作業でしたが、取り付けた人は本格的な夏が来るまでに一時撤去をしてくださいね。理由は、夏には小鳥は利用しませんし、有り難くないスズメバチの巣に使われる可能性が高くなるからです。

★愛知川上流の森と河口の新海浜

 炭焼窯や炊本設の上屋の整備に必要な間伐材を得るためと、我々の森の地下を流れる愛知川伏流水の水源の森を維持するためにも人工林の間伐のお手伝いを先の号で呼びかけましたが、即反応がありました。この通信の読者にも何人かの永源寺町の山林所有メがありまして、「おーい、家の山の木を使うてくれてかまへんでー、切り倒したままの木もあるし道から近いところもあるでー。」というような具合です。今回は、この好意に甘んじようかと思っています。しかし、上流の森を適切に管理しなければ、市の上水道は多くをこの伏流水に頼っていますし、農業用水も伏流水と愛知川ダムに依存していますので質と量の問題に直面することになります。遊林会活動の中に愛知川上流の人工林の林床管理(間伐)を加え、植林地の林床にシダなどを生やして土砂の流出を防ぎ保水性の良い土壌になるように協力をしましょう。今年中、あるいは来年早々に通常の作業日とは別途に計画します。
 今までの話は上流の話でしたが、先日、エコ村(エコロジカルなコミュニティ→NPO法人エコ村ネットワーキングが提唱)セミナーで「緑とやすらぎのある新海浜を守る会」の中野桂氏から、「私達の住んでいる新海浜は愛知川の河口になりますが、以前から上流の皆さんと交流をしたいと思っていたんですよ。」と挨拶をいただきました。異論があるはずもなく遊林会との交流ともっと上流の永源寺とも一緒に交流しましょうと応えた次第です。愛知川の水と緑を通して今後の活動が見えてきたのかと思っています。

★炭焼き窯見学その2

完成間近のネイチャーセンター

 見学"その1"については、以前に多賀町の高取山に行ったことを通信31号に書いていますが、今回は"その2"です。愛東町茗荷村(旧大萩で活動する茗荷村という名前のNPO法人)に最新式の効率の良い窯が昨年8月に完成したことを聞いていました。先日、「炭を焼いているんやろ、窯の情報が欲しいやろで茗荷村の高城さんと来たし紹介するわ。」と仲を取り持ってくれた人物がいました。早速、炭焼名人やキノコ博士などと出かけましたが、角井峠を目指して高度を上げる都度、下界には雪はなかったのに路面の積雪は増しスタッドレスでは全く歯が立たず、進むに進めず帰るに帰れず進退が窮まってしまい、山道の真ん中で車を止めてチェーン着装となりましたが、こんな天候でも茗荷村を目指すのは我々だけではなく、後続の車両を待たせてしまい恐縮することしきりです。茗荷村では到着が遅いのでどこかの谷に突っ込んだのかと思っていたとのご挨拶でした!
 茗荷村の窯は我々が想像していたよりも断熱の徹底を計り効率が良く、焼き上げ時の省力化が図られていました。およそ8時間程度かけて木を自燃させれば、後はほとんど窯を見ている必要がなく、従来の窯ですと焼き始めると三昼夜窯から離れることができずに焚き口の前で宴会モードかとの心配もしていたのですが・・・・・。三昼夜もかかると体力(酒量?)や交代要員の問題もあり、年に何回も焼けないと心配していたのです。でも、これなら材料の手当てと窯詰めは大変ですが長い酒浸りの火の番から解放されるので気軽に焼けそうです。茗荷村の窯建設の指導をされた国際炭やき協力会の杉浦銀治先生からもお電話やお手紙をいただき、何とか先が見えるようになりました。   →裏面へ



 茗荷村の炭焼担当者殿はその後、いつも間伐材の炭焼きで面白味がないのでと河辺の森に出現、萌芽更新の現場に積み上げられているコナラやアベマキを見つけて、これで材料に一度焼かしてくれないかとのことでした。この件はどうぞと言うことで了解したのですが、次には「窯を作るのなんか止めて、炭焼きは茗荷村でしたら?」と申し入れされてしまいました。奥山に炭焼きに使用する雑木が植林によって不足し、炭を焼いていなかった河辺の森に材料がたくさんあるというのも皮肉なものです。もちろん、この申し出は丁寧にお断りして、窯はこちらにも作りますので、指導の程をよろしくと笑ってお願いしました。

★「河辺いきものの森」情報

 ネイチャーセンター建築工事は、内装を残すばかりとなり急ピッチで作業が進んでいます。天井工事のための足場が取り払われた展示ホールは意外に大きいな、展示をするまでだったら小さなコンサートをするのにちょうど良い広さだなと言う感じです。大きな窓越しに見える森をバックに里の秋を歌が聴けたら(ホールの窓辺には大きな薪ストーブもあります。)、ホール中央で室内楽演奏を計画できたら、秋の夜にホール前のデッキで箏曲演奏をしてもらえたらいいなぁと考えています。森をテーマに様々な試みで、いかに多くの人に森と人とのことを考えてもらえるかがいよいよ試されるのです。勿論、森の中でもツリー・ハウス作り(誰か作りたい人いませんか?)や木登り教室、ネイチャーゲーム、ヤダケを使った工作などもします。完成間近のネイチャーセンターに多くのことを感じます。来月の作業日には、引き渡しは済んでいないでしょうから中に入ることはできませんが、完成した建物を外から見ることはできるでしょう。遊林会の活動拠点の建物でもありますから、皆さんの利用方法も考えてください。事務局がこちらに移転すれば遊林会の随時の活動もし易くなると思っています。活動は、第2土曜日、第4水曜日に限りません。皆さんで作業を考えて活動ができます。

★13年度遊林会事業と市の予算

 11年度から本格的に着手した「河辺いきものの森」整備事業も13年度が最終です。今年度はネイチャーセンターの展示施設や備品の購入、周囲の造園工事、観察路の案内標識や解説板の設置、水辺ビオトープ工事、木道工事を実施します。環境省、農林水産省、林野庁、県からの補助金を得ています。施設整備は最終年度であってもそのことが目的ではなかったために、担当する者にとっては全く区切りと言う感覚がありません。5月中には花と緑の推進室もセンターに引っ越す予定ですが、今までに投じられた費用効果を確認しながらのこれからの運営に身が引き締まる思いです。
 こうした施設整備や通常の管理運営の予算以外に「河辺の森からはじまる21世紀事業(連続講座、教育者研修、森の音楽会、野外映画会、こってり交流会、エコー葉書作成、世界湖沼会議関連事業、ラジオ体操自然観察会?、肝試し?などいろいろやります。)」3,520千円、環境学習推進事業(遊林会受託事業、遊林会のシンボル・バッジも作ります)4,800千円、炭焼窯製作1,000千円、里山林の新たな保全・利用推進事業1,300千円、そして夢〜舞めんと滋賀1,100千円(シンボル・ステッカー&森の本製作)の予算が措置されています。その多くが遊林会事業か市との共同事業です。施設整備で事業の調整と工程管理、補助金申請で神経をすり減らしたオーチさんは夜中に目が覚めて寝られんとこぼしていましたが、今度はこちらの番です。事業遂行のためにスタッフも必要になります。相応しい人があればご紹介下さい。詳細は事務局まで。

★遊林会グッズ、見つけた!

 1月の活動日にはお正月プレゼントだと竹のカップ30個、3月には竹箸を作ってきて皆さんに提供されている方がいらっしゃいます。市辺町の二代目チェンソーおじさんのSさんです。コップには、当然竹の取手が付いていますし、模様が彫り込まれているのもあり、しゃれた感じで遊林会グッズとしても充分通用しそうです。ネイチャーセンターで記念品として販売できないかとも思っています。がんばって作ってやーとお願いしようかな。私はどちらもいただいてこの森専用の食器にしています。

★5月26日(土)ネイチャーセンター完成記念

 現在、建設中のネイチャーセンターが間もなく完成します。展示施設とか運営の体制整備はこれからですので、あくまでも建物だけのことですが。建部北町の皆さんや地権者の方々、そして遊林会の活動を支えていただいている皆さんのおかげでここまで来ることができました。ありがとうございます。
 そこで提案です。関係者の方々、この森に興味のある方々、皆さんに感謝の気持ちでネイチャーセンターのお披露目をさせていただきたいのです。当日は森での野遊びの気持ちで心に響く自然を詠うコンサート、みんなで餅つき、資源を大事にするフリー・マーケットなんかもいかがでしょうか。遊林会の皆様のご協力とアイディアをお願いします。
 5月26日に決めているのは、ネイチャーセンターの整備スケジュールからもこの辺りが良かろうというのと、河辺の森の隣、愛知川河川敷で開催されている大凧祭り(5月27日)に協賛する形にしたらどうだろう、今まで5月の連休に布施公園で実施していました緑のつどいもリメイクしたいなと考えてのことです。ですからこの催しは来年以降も問題がなければ続けていくことを前提にしています。

★4月の昼食は、何にしましょうか?

昨年の4月は、雨で活動は中止になってしまいましたが、メニューは野草の天ぷらでした。これからは作業小屋がありますので作業はできなくてもお昼はあります! 昨年は前日に集めた野草の材料を中止で昼食に使用できず、その夜自宅でヤブカンゾウの和え物を主食ほど食べるようなことになってしまいました。
4月のメニューは、ヤブカンゾウの和え物、野草&なんやかんやの天ぷら、焼き鳥、すいとんにしましょうか。


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