’00年6月号 No.25
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| ヤマツツジの花 |
4月は天候に恵まれず、「サンデー毎日組」の週日作業の26日も雨がしとついていましたが、森の中での市新採職員研修と併せての実施でした。遊林会の参加者は10名余り、止めようと言い出す人はいなかったのですが、さすがに午後は中止にしました。なお、新採職員は作業の後、生活環境課の指導で森の中の不法投棄ゴミの清掃作業も実施してくれました。
5月の定例作業日の13日は天気予報では雨、作業中止が続くと困るなぁと思いながらも、前日の夕刻まで食糧準備を躊躇していました。ソメヤンハサケガスキー氏も前回に懲りて、土壇場までお迷いのようでした。タケノコとあわせる野菜などを覚悟を決めて購入したのは、オーチ委員長の大丈夫やぁーとの判断を取り敢えず信じてのことでした。・・・信じれば救われる!
天気予報が外れて当日は快晴とはいきませんが、作業日和となり感無量でした。参加者は60人を上回る人数となり、観察路一周の後の作業の手配が疎かになってしまいました。せっかく参加したのに何をしたらよいのかと手持ちぶたさになった人もあるのではと反省しています。5月の作業内容は、タケノコ殲滅作戦、モミジの森常緑樹排除作業、支障木ピンポイント攻撃といつもの炭焼や昼食賄いでした。森の中を歩き回ってのタケノコ殲滅作戦は、6月が本番、皆さん、大きな袋を持って参加して下さい、たっぷりのお土産付きです。楽しみのお昼ご飯は、煮付け、天ぷら、焼タケノコ、タケノコご飯とタケノコづくしでした。6月も、タケノコづくしの予定です。簡単でおいしいタケノコ料理があればお知らせ下さい。そうそう、可能な限り昼食時には、誰かに話をしてもらうように計画していますが、今回はスウェーデンの木質発電を視察されたKさんから一言をいただきました。その後、質問やケヤキの実生苗を育ててこの森に返そうとの提案がありました。次回にもこの件については取り組もうと考えています。
午後からの作業では、2時半頃に雷の音が近づき大粒の雨が落ち始めました。こりゃ大変だと作業を中止して道具を片づけたところ、雷がどこかに行ってしまいました。どうなったと思います? 突如、森の居酒屋が開店されてしまったのです。大好きな私も撤収の際の運転があり横目でにらんでいたのですが、オーチ様は後で「誰かが自然にセーブするんですよ、いつもはこっちの役なんですが、今日は勝ちました。」と上ご機嫌でおっしゃっていました!
** 付録 **
24日の週日活動日は天候に恵まれましたが、参加者には見放され少し淋しい人数でした。出始めたオニノヤガラの観察とタケノコ絶滅作戦を展開しました。
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| 今は昔、ジエビネ |
森の奥に山の神さんが祭られているのをご存知でしょうか。かつて作業のために南の入り口から歩いていた道は、お参りのための道でもありました。清水(シュウズ)道と言い湖東町の清水へ行く道でもあり、三叉路の先で右に別れて山の神さんに通じています。森の中にはもう一本、小田刈(コタカリ)道と呼ばれた道も通っていましたが廃道状態で東入口から橋を渡るまでに右に入る散策路がその一部かと思われます。今は山の神さんの周りは竹藪になっていますが、昔はそれほど背の高くない細い木やコケの生えている場所だったそうです。8月6日には、15歳から30歳までの若者の相撲大会がこの場所で行われ、終わると汗と砂で汚れた体を愛知川や森の中の湧水で洗ったそうです。年齢を超えた腕に覚えの名人も存在し、最後には勝負のお呼びがそれらの人から掛かり往生したそうです。35年位前までのことです。その頃を境にこの森も他の多くの里山も日々の暮らしとの関わりを失ったわけです。
5月の2回の作業でもタケノコ撲滅作戦を展開しましたが、6月もメインの作業になります。根に充分な栄養がある場合はタケノコの形で地上に現れるようですが、伐根して根が短くなって地上に近い浅い部分に埋まっている場合などは笹のような状態で発生し、取り敢えず光合成を行って根を太らせる生き残り作戦を取るようです。→タケノコ撲滅だけでは不十分で、こうした地中に残存した根から出てくるササタケも処分しなければ、いずれ養分を蓄えた竹の根によって元の竹林に戻ってしまいます。詳しくは現場で。
整備途中の森ですが、観察デッキの話題性だけで取り敢えず一度利用してみたい人が多く苦笑しています。市では、デッキは完成したけれど、デッキから眺めた森の四季の写真や常緑樹と落葉樹による階層構造、デッキから間近に見えるクヌギの花やドングリの成長する解説などを整備するまでは未完成だと考えています。しかし、デッキとしては完成しておりそのままでも償却されていくだけですので、希望があれば使っていただいて差し支えはないけれどといたって歯切れが悪い状態です。
団体で利用の申し込みがある場合には、可能な限り説明員を付けて観察路を1時間以上歩いていただくことにしています。現在は黄地と武藤で引き受けていますが、幸いに緊急雇用対策の関係で予算が付きそうですので人員を増やすことができそうです。
先日、北小の4年生全員が校外学習で午前中を使って森にやって来ました。これから季節ごとに来てくれるようなので、まず森全体を知ってもらおうと1周しました。子供たちにとっては、大人たちに好評な竹チップを敷き詰めたクッションのある観察路も靴にチップ片が入り不評であったのは意外でした。引率教諭の井田さんによれば子供の足はすぐに大きくなるから、大きめのを履いているからだろうとのこと。1周した後、時間切れの中で自分の観察する木を見つけてプレートを付けることになったのですが、早く帰らなければならないのでセンター予定地の近くで探すように説明されたのですが、ひとりの女の子がどうしても1周した時に見たあのピンクの花の木に付けたいと願い出ました。彼女は道を無視して直線的に木立の間に見え隠れするヤマツツジの木を目指して駆けて行きました。途中で転んだのですが、やり遂げて満足した顔で戻って来ました。自分の好きな木を見つけた彼女の姿は、この事業を進めてきた私たちを勇気づけるものでした。多くの子供たちにとって好評だったのは、ハチクのタケノコを採り生で囓ってみたことのようでした。家に持ち帰った小さなタケノコは、孟宗のタケノコしか知らない親に、なんて小さなタケノコと言われてがっかりした子もいたらしいのですが。冬に来れば、フユイチゴをいっぱい食べさせてあげよう。もうすぐすればナワシログミも食べられるよ。自分たちで見つけた物を食べる喜びは共有できているのだと安心しました。
ある時には、子供連れも可という説明会でお子さんを連れたお母さんから、遊ばす場所も遊具なんかも無いとおしかりを受けてしまいました。いずれ手作りの子供たちが工夫をすれば遊べるような物を、草原広場に置こうとは考えているのですが・・・・・。
前述の最近、見事な(?)ヒゲがトレードマークになった井田さんは、子供たち以外にも市内の理科教育担当者や北小の教師を対象にしたこの森での研修も計画中です。その筋に働きかけてもなかなかレスポンスの悪い中で、教育現場で応えていただける教師の出現は砂漠でオアシスを見つけたような気分にさせられます。
緊急雇用対策でこの森を環境教育のフィールドとして活用する教材の制作やソフト事業を展開するための人の雇用が遊林会の事業として認められそうです。その費用の一部で現場事務所の設置ができないかと考えています。電気も水道もありませんが、ユニットハウスを設置できれば、この事業の足腰を強くできそうですし、遊林会活動にとってもプラス、歓迎されざる山野草の盗掘者対策にも有効といいことずくめのように思われます。問題は、私が入り浸りになって他の事業(はい、他にも布引運動公園建設や布施公園の水鳥保護なども受持なんですよ。)に差し支えるのではという心配と、費用が対象事業と認められるかということです。心を込めてお願いしてみましょう。しかし、市長から勤務場所を外に移すことを禁じられているらしい私と黄地の問題は残りますが。設置できれば、散策や番外作業時の皆さんの利用に応えたいと思います。建設するネイチャーセンターは施設利用者に森の生態系や人との関わりを解説するだけでなく、遊林会の皆さんのたまり場になって欲しいと考えています。その頃には遊林会の活動も林床管理作業だけでなく、利用者に森のガイドサービス、遊林会グッズの販売、ストーブやたき火の守などと多岐に渡れたらいいんですが。炭焼の夜は、居酒屋になるのではと心配していますが・・・・・。一足早く現場事務所がそんな場になれば嬉しいですね。
遊林会の財政基盤確立のためには、一口年額1万円程度の賛助会費と通信費や保険料等の実費3千円程度を負担する会費制度を導入できればと考えています。賛助会員には、感謝を込めて村松氏(え!そんなことかいな?と言う彼の声が聞こえそう。)制作のこの森の薪を使って焼成したぐい飲みを毎年提供する、会費納入を会員資格にはしない、学生などの筋力や知力だけの会員も認めたいからです。もう少し詳しくは次回に。
ハチクのタケノコの真っ盛り、続きますがタケノコの成敗をします。
自分で使うコップや皿などの食器の持参に協力下さい。
ソロプチミスト八日市の皆様より会の設立10周年記念として10万円をいただきました。おくどさんや炭焼き窯の整備費用として積み立てました。紹介させていただきます