’00年1月号  No.20

★人並みに新しい年の目標を考える

 活動を初めた時は5人、1年前は常時20人にも参加者が増え感慨深かったのですが、最近では40人以上の方が参加してくださいます。参加者の皆さんに感謝するとともに、質をおろそかにせずより活動の輪を広げていきたいと考えています。そのためには中心スタッフの充実の必要を感じています。また、できるだけ早い時期にウィーク・ディの活動日も定例化したいとも考えています。
 12月作業の終わりに鎌での事故が発生しました。現在は、市に賠償責任がある場合のみしか保険対応ができません。作業内容から常に事故の心配をし悩んでいましたので、思い切ってこの種のボランティア活動に対応した通院などの際に見舞金の出る保険に加入することを決めました。今まで入れなかったのは保険料が高かったためです。  今回はやりくりで何とかしますが、1年後の更新の際には資金の捻出に苦労するだろうと思いますので、以前から計画していましたが、今年中に会の財政面の充実のために会費や賛助会員の制度を確立するすもりです。現在の活動費は、道具は市の予算(12年度で打ち切り)、賄い費などは皆さんのカンパと支援していただける団体からの助成、講演料などでやりくりをしています。
 今までの活動の良さを失わずに継続して行くことを最大の目標にしますが、もう一歩皆さんに活動への踏み込みをお願いする年になるだろうと思います。どうか今までと同様に新しい年も「遊林会」活動へのご支援をお願いします。


★12月作業報告

 12月の作業日は雨がぱらつく天候で始まるまでに何件も森でやるのか市役所でやるのかとの問い合わせがありました。市役所だったら”行かんとくわ”という電話がなかったのはありがたいことです。”もちろん、森でやります!”と答えたものの・・・・。 9時頃には雨が降り始め、定例の作業前の説明をする間もなく最初の作業はバロンシートを張っての屋根づくり、本職の佐多さんを先頭に素速い作業でした。今回、一番の作業は忘年会の準備ということで、山田親方とソメンヤンハサケガスキー氏を中心とするメンバーは火起こしや材料の整理にかかってしまいました。結局、作業説明はできず、残った者が三々五々食事の準備以外の作業に適宜かかることになってしまい、少し作業に精彩を欠いたように感じて反省しています。
 忘年会前の今回の作業のメインは落ち葉掻きです。熊手の数が少なく手で集めることになったり、新しい堆肥ピットが製作できずに今までのピット(竹囲い)に放り込むということになってしましましたが、落ち葉掻きをした後の林床は気持ちのよいもので、新しい植物がいっぱい生えてきそうな感じです。1月の作業では充分な数の熊手と箕を用意して落ち葉掻きを重点に進めましょう。来シーズン以降、落ち葉掻きと腐葉土づくりを連動させて活動資金の一部にならないかとも考えています。それとも、カブトムシのベッドにするほうがよいのでしょうか。

★冬の森では

 皆さんが作業をしている森の梢に50羽前後の小鳥の群が飛来していました。私にはシルエットにしか見えませんでしたが、外村先生は当然見ておられアトリだろうということでした。森の中では、フユイチゴやサネカズラ、ヤブコウジの赤い実も目立っています。自然観察会も計画しますが、皆さんも作業の合間にはこうした季節の移り変わりを愛でるのもいかがでしょうか。私にとって、小学生の頃、フユイチゴ(冬苺)はウラジロやササを取りに出かけた年末の里山の楽しみでした。是非、フユイチゴを食べたことがない人は一度味わってみて下さい。野間さんの話では、冬の林床に広がっているこの実も、ある日、突然になくなるのだそうです。原因は鳥の仕業だろうけれどもよくわからないそうです。

★強力な助っ人も登場

 12月の作業では、もうひとつお知らせすべきことがあります。緑の募金を集めた国土緑化推進機構と市からの補助金を得て、伐採した後の始末に困っていた細い枝や葉を粉砕するチッパーと薪割機を購入し、これらの機械のお披露目と運転をしたことです。これによって竹囲いのピットに枝のまま入れ、カブトムシの発生場所にして土に戻す方法をとっていましたが、粉砕してチップの状態にし容量を減らすとともに堆肥等の利用ができるようになります。チップの大きさも調整できる優れものなのですが、処理できる量に限界があり稼働時間でカバーしたいと考えます。1月の作業では本格的に稼働させて森の中に残されている枝を処理する予定です。慣れないと危険を伴いますので、何人かの取り扱いに慣れた方に処理をお願いする方法を検討中です。
 薪割機は構造はシンプルですが、斧では割れないようなアラカシのこぶも楽々と割る姿にほれぼれした人も多く好評でした。日頃、穴窯の前で薪割りに勤しんでおられる村松氏は、鍛えた腕が発揮できなくなる寂しさとしかし便利だなぁという表情でした。

★「赤目の森」の伊井野さんの著書紹介

 三重県名張市のエコリゾート赤目の森と言う名前を聞かれた方は、NPOや三県交流の活動に関係された方以外では少ないかと思います。リゾートという言葉からは、リゾート開発やリゾートネックレスなどの日本的な意味の豪華施設のあるリゾートが思い浮かびますが、本来はフランス語で「しばしば訪れて休息する場所」という意味だそうです。エコは環境です。ゴルフ場開発に反対して赤目の里山を舞台に造られたのが宿泊して里山の自然や体験ができるエコリゾート赤目の森です。里山保全の手本となる所を探していた時に、近在では赤目の森の伊井野さん達の活動しかないことを知り、教えを乞いに出かけたこともあります。氏は最初からこの活動に取り組まれ、ハマラザルを得なくなって現在は支配人(ホテルのスーツを着た支配人をイメージすると×、経営は大変で何でも屋さんです。)をされています。伊井野さんの著書は、そんな苦労や活動に対する思い、私達が取り組んでいる里山にもう一つ食料や健康の面での役割などを語りかけてくれます。

人が育て、人を育てた、日本の原風景・里山
「里山の伝道師」
著者 伊井野雄二 発行所 コモンズ
ISBN 4-906640-25-7 C 0036 \1,680(税込み)
 ご希望の方には、とりまとめて注文いたします。花と緑の推進室まで。

★森の中の忘年会あれこれ

  森の中での忘年会では、おでんはもちろん様々なごちそうが登場しましたが、びっくりする人物も登場しました。既に何度も遊林会に参加している中村市長に加えて武村代議士が参加され、しきりに食事の時間だけに来たことを恐縮、次回は例え2時間くらいでも活動に参加しないと話にならないなぁということでした。次の日に公共事業と環境問題に関する氏の意見が新聞折り込みになり、票になりにくい問題に真正面から取り組んでおられる一端を見た気がしました。再度の参加をお待ちしています。
 今回の森の忘年会には、あの96歳の黒瀬さんをはじめとする皆さんのカンパやノエビアの黒川さんのイワナの差し入れ他、銘酒、ビール券、おいしい一品、おでんの具、銀杏などたくさんの方々からご厚意をいただきました。ありがとうございました。

★「河辺いきものの森」情報

 1月の活動時には、一部で工事が始まっています。ネイチャーセンターや広場、駐車場等の造成を必要とする場所での竹の伐採と伐根です。森林観察デッキの工事は、工場での作業が中心ですので現場作業はもっと後になってからです。今年度中に屋外便所と中水利用の循環式浄化槽(含ネイチャーセンター汚水処理)についても建設します。いずれも竹の伐根をしてこれから造成する区域に建設しますので、年度末の森の中は各工事の調整に頭を悩ます状態になります。担当は、依然、夜明けに目が覚めるのだと嘆いています。「遊林会」の活動に影響がある部分は、南の入り口からの道が管理作業用の車両が入る幅に拡幅されることです。整備後も車両の乗り入れは作業車両以外は禁止しますのでご協力をお願いします。身障者の方についても車椅子での利用になります。駐車場からネイチャーセンターの区域では単独での車椅子利用も可能にする計画です。

★1月の作業予定

 落ち葉掻き、残枝粉砕、薪づくりを中心に作業を進めます。炭焼き、賄いももちろんお願いします。薪づくりについては、除伐した区域に遠慮して残されているアラカシを新たに伐採して材料にします。メイン作業は落ち葉掻きです。13年の1月の活動には、”どんど焼き”も考えてみたいですねぇ。
 参加者が増えて、お互いがどこのどなたさんですかということもしばしばです。作業時の名札着用の復活を検討しています。


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