河辺林通信−−−建部北町の森から ’99年10月号

★9月、作業日の報告

 前日の天気予報、夜半の雨に9月の作業日は中止かなと諦めていましたが、目覚めると朝日が射しているではありませんか。つくづく天候に恵まれているなぁと感謝感謝でした。(一方で、私は何かイベントに関わると雨はおろか大雪、台風までやってくる始末なんですが。)
 9月の作業では、今年になってから整理した部分に伐り残しているアラカシの間引きと薪づくり、ササ退治、クズの根堀りが作業メニューでした。
 クズはササと共に明るくした森の大敵ですが、最初に作業を始めた場所の道沿いの所に昔からの株が頑張っています。澱粉(クズ粉)でいっぱいの根をそのままにしておくといつまでも絶えることがありません。緑化植物として移入されたアメリカでは、クズが今ではその生命力のために自然に対する脅威になっているという話を聞いたこともあります。そこで根を掘り起こして、ついでに皆さんにクズの根なる物を見ていただこうと考えたのですが・・・・・。クズの根の横の地中にクロスズメバチの巣がありましたが、飛び出してくるまで気付かず攻撃を受けました。幸いに小さな蜂で、刺されたのも一箇所でしたので、大事には至らなかったようです。(被害者は角江さん) かくしてこの作業は中止。
 ササ退治とアラカシ、薪づくり組は、雨こそ降らなかったけれど、8月よりも蒸し暑い天候の中で、服を汗でビショビショにして頑張っていました。途中より、県主催の近江風景探訪講座の受講生の方も薪の材料運びに参加して汗をかくこととなりました。
 チェンソー名人や、ソロプチストの方々、ライオンズクラブの会長さん、そして勤労青少年ホームの若い仲間も増えて今回の参加者は、45名でした。探訪講座受講生を加えると60人ほどになりました。
 昼食後は、午前中に頑張り過ぎて蒸し暑さの中で作業の気力が続かず、西村治さんによる自然観察会で幕となりました。ご苦労様でした。

★おうみ市民活動屋台村に参加


遊林会の展示コーナー

 9月19日(日)、大津市のピアザ淡海(パスポート・センターの建物)で市民活動・ボランティア活動に関係する団体や関心のある方を対象にした催しがありました。「遊林会」では、活動のパネル写真と環境交流円卓会議に参加して、日頃の活動をPRしました。まだ、1年余りの活動ですが内容はインパクトを与えたようです。後で考えるに、勝手に皆さんにとって面倒だろうと事務局で対応してしまいましたが、皆さんに参加希望を募って参加すれば良かったなぁと感じた次第です。以後、気を付けようと思っています。

★森と燃料や地球のこと No.2

 安定して貴重な薪炭を得るために必要以上に森を痛めつけないように、それぞれの地域で掟がありました。八日市の中でも少し聞いただけですが、その方法は随分異なります。数百メートル上流の川合寺町でも建部北町の森とは異なっています。森と人との関わりをテーマにするこの森に建設するネイチャーセンターには、こんな情報を収集する必要があると考えています。誰か、まとめてくれないかという気持ちですが、”それはあんたの仕事だよ。”と言う声が聞こえてきそうです。建部の森では、そのようなことに一番精通されておられるように聞いていました奥政右衛門氏にいつか聞こうと思っていましたが、まさかの訃報に愕然としたこともあります。この種のフィールド・ワークをした経験がありませんが、やはり気が付いた者がすべきことでしょう。あの人が詳しいとか、こっちではこんな取り決めがあったとかの情報を待っています。前回、書きましたもらい風呂などの木を燃料として使った面からの情報もお待ちしています。自然だけでなく、燃料としての木と人の生活にも注目しています。

★96歳、反戦爺よりカンパ

 あの黒瀬さんが当室に見えて、”爺なので作業の力にはならんが、ああいう活動は続けるべきだ。特にああして森の中でみんなで飯を食うのはよい。それで、作業する代わりに飯代にこれを置いていく。”と、おっしゃってカンパをして下さいました。実のところ、カンパも嬉しかったのですが、活動を理解していただいて支援していただけたことが何よりも嬉しいことでした。
 一度、氏の”うたの落書”を皆さんに紹介させていただこうと考えていました。いい機会ですので紹介させていただきます。選定は私の独断です。
  ○国民の 悲願後目の 逆戻り
           政治の暗雲 ひしひしとかぶさり
  ○振りかえりゃ 一億一心 オームの如く
           傍若無人 北鮮さながら
          (黒瀬正三氏 うたの落書 165号より)
 氏の硬骨感ぶりを感じていただけたものと思います。歴史を通して常に客観的に見つめておられるようで、五十肩に悩み肉体の老化現象で先が見えだしたように感じる私には、90歳を超えて自由な思考をお持ちの氏は限りなくスーパーマンに見えています。
 もちろん他の方々からもカンパをいただいており、紙面を借りましてお礼を申し上げます。ありがとうございます。

★賄いに強力な助っ人!

 作業メニューでは紹介していましたが、今回は昼食準備に各種の祭りで焼きそばを焼いてお馴染みの”ソメヤンハー・サケガスキー”氏が、駆けつけてくれ、材料持ち込み、調理付で助かりました。ソロプチの方々などのお手伝いもあって手際よく仕上がりました。一方、副食の焼き鳥は遊林会の職人・山田君と黒川さんの二人で150本ほどを焼いてくれました。黒川さんは熱気に動じることもなく黙々と、山田君は焼いている間中、熱気のために○○○を6本飲んだそうです! 当日の朝は雨だと決めつけていたので遅くまで飲んで二日酔いだったと言っていたのですが・・・・。
 焼き鳥が好評でしたので、資金稼ぎのために、二五八まつりで焼き鳥のバザーをしようかなとも考えています。飲み代は各自持つようにしないと利益はありませんでしょうが。

★「河辺いきものの森」情報

 八日市市の9月補正について、森林観察デッキの件が新聞報道されたことに気付かれた方も多いことと思います。いよいよなんですが、今後市の実施する事業と「遊林会」の活動内容との関係がどうなるのか疑問を感じておられる方もあると思います。
 市では、今年度事業で先程の森林観察デッキの建設、ネイチャーセンターの実施設計、ネイチャーセンターエリアや駐車場の荒造成、一部森林(竹林)の整備を実施する予定です。12年度には、ボランティア活動の拠点になる土間コンクリートの作業場(「遊林会」の食事や調理、休憩とネイチャセンターの工作教室等に利用)と道具類の倉庫のある作業小屋(約100u)も作る予定です。
 整備後は木を伐るような荒っぽい仕事は少なくなる(計画的に伐採して樹木を利用しますので、無くなりはしません。)でしょうが、タケノコ退治や切り株のひこ萌え管理、炭焼き、ササや下草刈りなどの仕事量が増えて仕事の内容が変化すると思われます。いずれにせよ、施設に従属した自主性のない活動にならないように、両者の立場から考えていくつもりです。

★次回の作業予定と昼食&番外作業

 次回から大気も冷えてきましたので、炭焼きを再開したいと考えています。それにつきましては、新しい炭焼き窯の設置と焼く材料の準備作業を事前にしておく必要があります。この作業を10月4日(月)午後1時半にいつもの所に集合で実施します。雨天の場合、5日(火)午前10時集合に延期します。参加者をお待ちしています。
 10月は、いつもと違った内容として、炭焼き、焼き芋、苗づくりと子供達のためのドングリ拾いを計画しています。
 昼食は、キノコご飯?、何でもぶち込む闇鍋(具の差入れを待ってます。)、その他を考えています。穏やかな秋の一日を地球に優しい作業で楽しみましょう。

★その他 (水鳥のための布施溜池釣糸清掃)

 まちを語れる人づくり事業自然部会と環境ボランティアの皆さんがウィークディですが、10月4日(月)午前9時より(午前中)布施公園でカモが渡ってくる前の釣り糸清掃を実施されます。同公園に渡ってくるカモは約千羽、カモ類だけで12種類に及び滋賀県でも有数の観察フィールドになっています。(私見では、湖北水鳥センターについで2番目に良い場所です。) 昨年も放置された釣り糸の被害にあったカモが数羽発生しており、事故絶滅のための清掃活動を実施されます。関心のある方の参加を歓迎するそうです。水鳥観察会についても充実する方向で検討されています。

★キノコ観察会を11月に実施

 季節を通じて森の中にはキノコが発生していますが、”あれは食べられるんやろか?”という疑問が皆さんにあることと思います。昨年も西村治さんの指導の下、オオイチョウダケを賞味したのですが、その先生をもってしてもキノコは難しく”誰かキノコの専門家を知りませんか?”ということでした。幸い近くに日本有数のキノコの専門家がいらっしゃいましたので、お願いしてみましたところ快くお引き受け下さいました。日程の都合で11月になりましたが、キノコの観察会を開くことができそうです。もちろん、調べた後は、キノコ鍋にしていただく予定です。お楽しみに。



▲前の号 | 河辺林通信トップ | 次の号▼

| ホームに戻る |