河辺林通信−−−建部北町の森から  ’99年8月号

★7月の作業日も、天気はバッチリ

 昨年の7月は、唯一、雨のために作業を中止しましたが、森の中まで調べに入られたオールド・ラガーマン(失礼)の雲川さんから「あれくらいならできますよ・・・」とおしかりをいただいたことを思い出します。今回も、事前の予報では雨だったんですが、近づくにつれて曇から晴へと予報は変わり、当日は作業日和でした。おかげさまで雨除けのバロンシートを張り巡らしての焼肉パーティから解放され、作業の後の1周年記念を木漏れ日の中で楽しむことができました。私は余韻で、参加者の皆さんが手分けをして後片付けをされているのを横目に、一杯機嫌で話し込んでしまいました。すべてが終わって森の外へ出ると、気を利かしたスタッフの配慮で乗って帰る車は残されておりませんでした!

★県知事、下草刈りに参加する!

 県民と行政の新しいパートナー・シップを提唱する立場から、県知事が公務の合間を縫ってボランティア作業に参加されました。事前に知らされていたのですが、「河辺林通信」には敢えて記載しませんでした。県知事が来るからということで、いつもと違う活動になったりすることを避けたかったからです。
 今津で開催されるエコライフ・フェアに主催者として参加されるまでの短い期間でしたが、「遊林会」の活動を体験していただいたことで、今後、このような活動の広がりにつながることと思います。

★滋賀学園高校、隣の森に現る

 森の入口に、今春から男女共学になって校名を八日市女子高から滋賀学園高に改められた高校があります。以前に、この森の生態系を専門学校の学生が合宿をして調査をしましたが、その際に合宿所の借用をお願いしたこともあります。今回、駐車場の借用をお願いにあがった際に、高校生の諸君にも環境問題と様々なボランティア活動に接する機会として取組みをお願いしてみました。驚くべきスピードで、授業に取り入れる方向での日程調整とクラブ員の参加の返事が来ました。
 赤いジャージの女子がソフトボール部、白は全員1年生の硬式野球部の部員で、総勢30人余の諸君が今回は参加してくれました。余りにも礼儀正しく、今頃の高校生に慣れている身には違和感さえありました。竹藪でヤブカに戸惑いながらも2時間近くの作業をしてくれました。作業の前に、森の現状となぜ竹を切るのかを説明しましたが、作業を通して木を伐って森の守ることを、体で学んでくれることを期待しています。

★96歳の元気老人、スイカを差入れ


ヤブカンゾウ

 今までの遊林会活動参加者の最高齢は、毎回参加されている野鳥の会の外村芳夫さんだと思うんですが、今回、大きく更新されてしまいました。記録を更新された96歳の黒瀬さんは、自作の辛口の世評風刺の狂歌・「うたの落書き」を、いつもバイクで走り回って配達されている元気老人です。歌の中での戦争そのものや戦争に結びつく思考・行為に対する批判は、これでよく戦前に警察に捕まらなかったなと思うほどの辛口です。前回の活動日は、秋田県の大潟村の息子を、遊林会の炭焼き職人、森昭次さんと一緒に訪ねていたので参加できなかったそうです!
 我々もせいぜい森の作業で、森林浴とストレスの発散、充実した時間を過ごして、皆様のお年まで元気で遊林会活動に参加したいものです。黒瀬さんの参加してのコメントは、次回に尋ねてみるつもりです。大きなスイカを差入れていただきました。ありがとうございました。




★C.W.ニコル氏と情報交換?

 7月13日に市民大学で講演のためにC.W.ニコル氏が来訪されました。市民大学実行委員会の御厚意で、講演前に氏とお話しする時間がいただけました。黒姫の森での氏の活動は、雑誌などで知るところで、遊林会の活動を始める際にも影響を受けています。また、氏は生態系について学ぶ専門学校の副校長で、そこの学生達に3年前に愛知川河辺林の生態系調査をしてもらった縁もあります。その時の担当者の名前をあげると、「彼はちゃんと調査をしましたか?」と冗談も出ました。
 ニコル氏は、黒姫の森を守るために約20ヘクタールの森を取得しなければならないので資金確保に講演活動で全国を飛び回っていることや、余裕ができれば、黒姫に全国各地でこうした活動をされている方の研修施設などを作るつもりだから、その時はいらっしゃいとも語っておられました。私たちの活動は後発ですけれども、木を伐って森を守る活動について互いに情報交換をしました。

★カメラマン(ウーマン)募集!

 作業日に、あれやこれやの作業に走り回ったり飲んでしまって、作業の記録写真がなくて辛い思いをしています。作業をした後の林床の経過も、頭の中にしかないことがしばしばです。今後、ネイチャーセンターの資料として保存する必要を感じていますが、お寒い状況です。
 作業日に、作業の記録写真や森の定点観測の写真を撮ることを作業としていただける方はありませんでしょうか。フィルム代等の消耗品の費用は負担します。ネガ、リバーサル、デジタルの三台のカメラでの記録を求めています。デジタルカメラは当方のを使用していただいて結構です。

★遊林会会長印、できる!

 遊林会はフレキシブルな団体で、入退会届の不必要な遅刻・早退ありの活動団体として、誰でも気楽に参加できることを目指しています。事務については、武藤を中心にこなしていますが、活動資金を得たりする場合の代表者が必要になってきました。通常ですと、名誉会長的な有力者や人生の先輩の方々にお願いするのですが、活動のレスポンスと形式を廃した実行型の組織を目指しており、当分の間、武藤が会長要務をさせていただくということで、作業日に参加者の皆様にご了解をお願いしました。対外的には、会長ということで事務処理をします。適当な時期にふさわしい方にお願いすることを考えています。山本が早速、薪割機や木の枝を粉砕する機械導入の補助金申請のために、会長印を活動費1回分の予算で作ってしまいました。(もったいなぁ!) 当然、今回のことで遊林会内部の活動になんらの変化があるものではありませんが、まずはお知らせまで。

★「河辺いきものの森」情報

 事業の中で地上からの高さ12mで遷移途上の常緑樹の上に森を見渡す散策路(林冠トレール)を計画していましたが、環境庁の補助対象事業として内諾を受けました。国と県がそれぞれ建設費の1/3づつを負担します。森の動きと森と人の関わりの意味を感じられる全国で初めての施設になります。4階建ビルの屋上クラスの高さがありますので、子供達にはそれだけでも人気が出るかも知れません。林冠トレールの長さは当方の甲斐性との相談になります。

★多くの団体や個人からの支援

 八日市南ロータリークラブから、昨年度に引き続き11年度の活動費補助金をいただきました。使用使途の限定されない補助金は、活動の潤滑剤(飲料や食材購入費)として本当に助かります。もちろん、潤滑剤といっても昨年の補助金についての実績報告はクラブ宛にしていますし、これからも報告します。また、国際ソロプチスト八日市環境奉仕委員会と八日市地方紙記者クラブより缶飲料の差入れをいただきました。今回の、パーティ参加負担金の合計は19,000円でした。野菜やお酒の差入れもたくさんいただき、ありがとうございました。

★8月の作業は、休まないことが目的

 8月の定例作業日は、暑い夏とお盆の真っ最中、仏事や帰省、親戚の里帰り等でお忙しいことと思います。それでも休まずやります。去年作業をしたところのササ刈り、薪の運び出し、道具の手入れ(ナタ、カマ、チェンソー等の刃物の研ぎ出し)実習を計画していますが、午前中で終える予定です。


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