河辺林通信−−−建部北町の森から  ’99年7月号

★タケノコあれこれ

 6月の作業ではタケノコ退治をメインにして、トイレを設置している竹藪で徹底的にタケノコを抜いたり折ったりしました。この森の保全作業の中で、竹藪については、竹藪として残すところも雑木林に戻すところも、一度すべての竹を伐採(さすがにこれは業者委託を考えています。)しようと計画しています。今回作業をした場所は雑木林に戻す予定地ですので、竹の勢いをそぐためにタケノコ退治をしました。今回、初めて参加したボーイスカウト団員諸君にも、なぜタケノコを折るのかを説明して作業に参加してもらいました。面白いように折ったり伐ることのできる若竹退治と食用になる大きさのタケノコを集める作業は楽しい作業です。雑木林に戻す作業についても、できるだけ樹木の根を傷める重機をつかっての抜根を避けようと考えていますので、これからしばらくの期間、地中に残された地下茎から毎年、発生するタケノコを退治することになります。


ハチクのタケノコ

 ハチクのタケノコの味はいかがでしたか? 私はご存じの通り二日酔いでさんざんでした(誠に申し訳ないことでした。)ので、当日は食することができず持ち帰ったタケノコを煮物にしていただきました。連れ合いの料理の腕だけでなく(?!)素材が良かったんでしょう、おいしかったです。今では、あまり食べる習慣もなく忘れられていますが、あの味なら今後の河辺林でのこの季節の活動の素材として利用できると喜んでいます。6月は「食べて負かそうタケゴン」とでもしましょうか? 食べる人が増えれば、荒れている竹藪が保全されることにつながりますから、ハチクを食べるのも保全活動だなぁと悦に入っています。

★今回のお客様は、ボーイ・スカウト団員


火吹竹で飯炊き中

 かわいらしいカブ・スカウト(小学3〜5年)とボーイ・スカウト(小学6〜中学3)の諸君が保全活動にやって来ました。タケゴン相手に格闘、飯炊きの手伝い、実生苗への標識付けなどに従事してくれました。この森の活動への中学生の参加は初めてでしたが、感想はどうだったのでしょうか? 子供達の自然体験の場と考えていますが、中学生は私たちの視野の中から抜け落ちており、興味のあるところです。

★ヤブカンゾウのその後

 春先に群落になって芽を出していたヤブカンゾウが花を付けるのを楽しみにしていたのですが、いっこうにそれらしい様子がありません。西村先生が調べられると今年は球根(カンゾウはユリ科)がやせていて花芽を付けていないということでした。今まで薄暗い森の下で細々と生きていたので、花を咲かせる力が球根に残されていなかったようです。来年に期待しましょう。(来春、あえものの材料に採らないように!)


ウツボグサ

 早春の花が終わって、今、森の中は再び花の季節です。白くて大きなホタルブクロ、ラベンダー色のウツボグサ、薄い色を帯びたオオバギボウシ、白くて香りのあるテイカカヅラ、かわいいイチヤクソウ、そしてオニノヤガラも花の季節です。来年は、ヤブカンゾウやササユリも仲間にはいるのでしょうか? 葉緑素を持たないオニノヤガラは自分の力だけでは増えることができませんが、今年は生存域を拡大したようです。その分、一箇所で咲く数は減っているようです。毎年、見守っていきたい植物のひとつです。
 もうすぐこの森は、ハグロソウやウバユリ、キンミズヒキ、ネムノキの咲く季節にバトンタッチです。





★作業あれこれ

 井戸掘りのその後はどうなっているのでしょう? 柵も滑車も使わずそのまま続けているようです。格段の進歩はスコップ以外に箕を使うことで、作業がはかどったと言っていましたから、内容は推して知るべしです。しかし、掘れる限界に達したようです。腕以外に頭を使われることを期待しています。
 6月の作業ではタケノコ退治を中心にしたために、新しく林床を開くことはできませんでした。しかしながら、徹底的にタケノコを退治しましたが、本日(6月22日)、森に入るとあれだけタケノコ退治をした場所に新しいタケノコがニョキニョキと至るところに顔を出して伸びていました。恐るべし「ハチクの勢い」。そんなわけで7月にもこの作業は残りそうですが、昨年、切り開いた場所では、望まない木の傍芽やササ、クズなどがはびこってきていますので、下草刈りも必要になっています。蒸し暑い季節になってきましたので、長い時間の作業は避けたいと考えていますが、この時期にしなけらばならない作業もあります。次回、7月には昨年から開いた場所の林床管理作業を手際よく作業を終えてしまいましょう。

★薪づくりのその後

 雑木の薪で焼物を焼くというアイデァ先行の薪づくりですが、未だ穴窯で焼くだけの充分な量が確保されていません。資源の有効利用と活動資金確保のためにも何としても成功させたいと考えています。開いた林床のそこここに放置されている薪になりそうな木を集めて薪づくりにも励みましょう。薪づくりを作業の流れに乗せて、継続的に生産される体制づくりを目指したいものです。

★「河辺いきものの森」情報

先日、環境庁から担当者(いわゆる官僚)の現地踏査がありました。山歩きのできる服装で八日市駅に降り立たれ、精力的に書類上の審査と問題点を指摘、現場入りとなりました。問題点の指摘もなるほどと思うもので、こちら側もその視点に敬服しました。及第点がもらえたようです。
 22日は、ソロプチストの会員の方々15名が今後の協力のために森を学びたいということで、河辺林の現場で研修をされました。途中で雨も降り出しましたが、事業趣旨に多くの方の賛同を得ることができたように思います。遊林会の活動に興味を持たれた方もあり、今後の活動に参加していただける方もありそうです。

★1周年記念てなんじゃいな?


1年前の初めての作業

 いつもより早い時間から始めて、手際よく作業を終えたらどうなるのだという指摘もあることと思います。心配無用です。別の企画をしています。前回もお知らせしましたが、5人で作業を開始してからこの6月で1年を超えることができました。作業回数は、16回を数えます。 そんなわけで1周年記念! です。それに、毎回、話す時間はあるのですが、相談できていないこともあります。(焼肉をすると、また、楽しく終わってしまうだけかと少し心配しているのですが・・・・・・・・。) 野菜の差し入れ歓迎します。焼肉、みそ汁、飯炊きを予定しています。もちろんメインは焼肉です。

★原稿募集をします!

 趣味的に毎月書いています河辺林通信、少しは変わった切り口を期待されていることと思います。皆様からの意見や感想も載せていきたいと考えています。お手紙でもFAXでもEメールでも結構です。お便りをお待ちしています。
 活動の記録集を編集すべきであるとの提案も寄せられています。最初は簡単な内容からでも始めましょうか。


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