'06年5号 No.96

☆作業日あれこれ

 4月は作業日和の気候で気持ち良く作業ができるのですが、当地の祭りと重なるために参加者が少なくなります。この日の観察会は「森の春を見て回ろう」で、三平モドキはキクザキイチゲの前で春植物(スプリング・エフェメラル)の特徴を説明していました。雪解け後から落葉樹が葉を茂らせるまでの短い時間に活動を終える春植物の多くは根にたっぷりと栄養を蓄え、一気に成長するのです。また虫が少ない時期に花を咲かせるので、虫を呼び寄せるために目立つ花を咲かせるとか、時期遅れの積雪に耐えるように草丈が低いものが多いのです。次に見事に咲いているシュンランの株、まだ蕾のイチリンソウの群落を見ました。それを待っていたかのように雨が降ってきました。雨模様の日ですと参加者は雨具を用意しているのですが、突然の雨で準備もなく、地元は「お祭り」森は「雨喜び」かと密かに期待しました。(なんせ、クマはこの日から仕事を離れたボランティア、御神酒を頂くことに抵抗もありません) それでも作業前のストレッチを久しぶりに山田親方の指導で作業小屋の中で終え、作業メニューの説明を終えた頃から天候が回復してくるではありませんか。

▲ 遊撃隊長ご満悦

 竹林整備班はタケに付いた雨粒が落ちるまで昼食材料確保班に合流、大先生と蛇掴み名人の指導で山菜採取です。まず酒の友にぬたの材料のノビルを求めて愛知川の河原からです。次に森の中に戻ってこれもぬたの材料のヤブカンゾウの新芽、次に天ぷら材料にヨモギ、ツバキの花、タンポポ、カラスノエンドウ、スズメノエンドウetcを集めていました。
 炭焼名人は、煙道に温度計を取り付けたり窯底に空気の流れが発生するように工夫を重ねて炭焼きを改良中です。今回のタケ炭焼きの出来を聞くと大きな丸を両手で作っておられ、上出来だったようです。叩けば金属音、生焼けもなくほぼ100点満点、ニコニコ顔で取り出し、午後には次回材料を窯入れされていました。
 作業小屋の周りでは、販売用の遊林会グッズ、竹炭の洗浄や木酢液の容器詰め作業です。お昼の準備は、祭りでいつもの名人の指導がありませんので、愛子様は釜炊きのご飯の様子を見たり、カレーをかき混ぜるヘムスロイド村遊撃隊長(この日は腰痛でヘビーな作業を回避)に指示をしたりとちょっと大 変な様子でした。昼食班は揚げ物が多く、油にあたるというのでしょうか食欲不振になり、しんどい作業です。縁の下の力持ちご苦労様です。
 お昼にはクマも泡の出る麦茶をと意気込んだのですが、喉越しを楽しむまでには至らず、隣の虎御用達テーブルの勢いを横目に舐めるように飲んでおりました。食後のミーティングでは、新任の花と緑の推進課の古川課長や滋賀県に来て4日目という新人もいて恒例の新人一言コーナーもいつもの通り和やかな内に終了、午後の作業に散りました。食材採取班はセイタカアワダチソウの新芽除去とナメタケの菌打ち、竹林整備班は竹藪掃除です。
 午後の作業を終えると、作業小屋では青年部長、オーチ、新人、定番のない陶芸家、手より口の人等が熱い談義にとぐろをまいており、クマや炭焼名人、蛇掴み名人は森守堂の囲炉裏を囲んでコーヒーをすすり、それぞれ活動の余韻を楽しんでいました。

   第4水曜の活動日は、止まると肌寒いが動くとちょうど良い、という程よい気候でした。まずは今が盛り(例年より2週間遅れ)のカスミザクラと、まもなく見頃を迎えるウワミズザクラのお花見を…他にも前日久しぶりに森を訪れたキノコ博士に教えてもらったオオトガリアミガサタケなどを見ながら、ゆっくり春の森を楽しみました。この日は伐採したアラカシの切り株から出ているひこばえをナギナタモドキで刈り取る作業と、お昼のタラノメやウドの調達作業です。タラノメはこの時期になると泥棒が現れ、盗みの現場を発見したスタッフは没収&説教に行きます。森の恵みを味わうなら、まず森のために作業をして!!と言いたいスタッフです。アラカシのひこばえ刈り取り作業には、ナギナタモドキを持って森を移動しながらの作業ですので、タラノメ泥棒が出会ったら腰を抜かすでしょう。お昼はタラノメやウドに加え、とりたてのシイタケや差し入れのタケノコも加えた山の恵みづくしでした。大量の天プラも、衣の隠し味にゴマ油と焼酎!が入っている凝りようで「すごいお昼やな〜!」との声も…。  午後からは作業を変え、みどりのつどいに備えて危険な枯損木の伐採です。すっかり枯れて今にも枝が落ちそうな太いサクラの木を伐採しましたが、その搬出には花粉症から復帰して久々にご登場の軽トラ野郎氏の独壇場。タイヤが土煙をはきながらあっという間に処理されました。

 5月24日(木) 週日活動 森の居酒屋は5月3日 午後7時頃〜
5月13日(土) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp


☆河辺いきものの森スタッフルーム情報

   常の居所を変更させられてしまったクマは、スタッフ・ルーム情報が書きにくくなってしまいました。それでも今月分は書こうと情報収集をしています。クマが座っていた窓際の席は、替わって湖東支所から異動して来た古川氏の席となりましたが、かつての痩せこけた冬眠開けのクマと比べれば対照的な体格の温和な紳士です。ここで気がついたのですが、この部屋の主は、マルを除けば、うしまろ、トミー、新人課長、みんな同じ体型、3匹の何とか(失礼)という感じです! ブーヤン・トリオとでも名付けましょうか。  常々クマは遊林会スタッフに、ボーナスが欲しければ自分で稼げと言っていましたので、昨秋は雨模様の空を羨ましげに見上げるフトン屋の姿がありました(雨が降れば焼芋が焼けず売上げが減るから)。余程この言葉が身に染みたものとみえ、今年度は積極的に営業活動に励み、市の他部で実施される子供たちの野外活動の企画から実施までを請け負ってきました。フトン屋はこれでボーナスはバッチリと皮算用をしているようです。期待に応えたいものですが、経費を引かなければならず彼が納得する額になるのでしょうか。団体交渉をとそそのかす者もおるようで、かつて労働組合の役員をしたこともある事業主(?)のクマは心中穏やかではありません。  

☆ようこそ森へお客様

   淡路景観園芸学校の生徒が今年もこの森を訪れてくれました。今年で6年目になります。この学校は兵庫県が大学卒業者を対象に、景観園芸のプロフェッショナルの養成を行っています。この森の生態系調査を担当した滑ツ境設計の梅原さんが淡路景観園芸学校の講師も務めておられることが縁で毎年この時期に15人余りが野外実習に来られます。今年も3月上旬に梅原さんから「はじめから関わっていた森のクマ氏に是非お話を…」との依頼がありました。この森の事を園芸のプロを目指す人に是非知って欲しいとふたつ返事で了解をしていましたがご存知のとおり3月末にクマ氏に人事異動の発令がありどんでん返し。誰がこの件を引き次ぐのかスタッフの間で話題になっていました。この事態になんとクマ氏は昼休み時間を利用して森にやって来てこの森にかける想いや森の管理方針についての講演とあいなりました。講義は時間を忘れて熱い内容になりました。

▲ 淡路景観園芸学校さん

  熱い内容といえばもう一組。奈良教育大の1年生もお越しになりました。はじめに電話を受けた感じでは指導される教授は「森にある春の植物を見せて下さい」との内容でしたが教師を目指す先生の卵に手をこまねいて見過ごす筈もなく、マル隊長は内容を変更気味にして情熱的に森のファンを増やすべく時間を延長して「森の環境学習の実践」を説明をしていました。  どちらのお客様も将来は多くの人に関わって専門的な仕事をする訳でこの森の取り組みを知っていただける事、特に自然や教育に携わり興味を持つ学生ですから理解者を増やして行くという意味で大変重要で講義にも力が入ります。

 かつてこの森では教師向け講座として森の環境学習講座を開催しました。多くの子ども達を森に連れて来てくれる人達に森の良さを理解してもらおうと現役の教師にこの森での実践状況を見てもらったり先進的に取り組んでおられる講師をお迎えしてお話を伺ったりしました。しかし日常の忙しさからか参加者は大変寂しい状況でした。そんな経験があって今回の様にカモがネギを背負ってやって来ていただける場合にはサービス満点。懇切丁寧な対応になるのです。ぜひ将来は他の人を引き連れて森にやって来て欲しいものです。結果が解るのはかなり先で気の長い話ですが歓迎すべきお客様なのです。  

☆みどりのつどいとコンサート

   今年のみどりのつどいはいつもの通り大凧まつりやヘムスロイド村祭り(今年からアート・ギャラリーとか言うそうですが・・・・)と同日の5月28日(日)です。例年同様にバザー等を予定していますので、応援と参加をお待ちしています。青年部長は今年は筍の当たり年、焼き筍に味噌を付けたのを売るんだと大張り切りです。余談ですが、2年前、よく売れるので材料の追加仕入れに竹林で筍を採取していて、怪しげな青年部長自身が森を歩いている人から筍泥棒をとがめられたことがありますので注意して欲しいものです。  恒例の関連事業、森のコンサートは5月20日(土)で、今回は大阪センチュリー交響楽団首席トロンボーン奏者の近藤孝司さんなど交響楽団のメンバーによるトロンボーン&テューバセッションです。曲目は・主よ人の望みの喜びよ~バッハ・気まぐれなトロンボーン~フーリッシュ・子象の行進~マンシーニなどです。チケットの販売と予約受付は5月3日(水)よりとさせていただきます。センターはGW中は開館していますが8~11日は振り替え休館しています。ご注意下さい。  

☆5月の作業日のお昼

   今年は春の訪れが遅いので、ハチクの筍は13日の作業日にはとても発生しないでしょう。かつてタケの地下茎の上にチップを積んでおいたら発酵による地温上昇の影響で通常より1ヶ月も早く発生したことがありますので、今年は日当たりの良い竹林にチップをそこそこの厚さに撒いて促成栽培を試みるというのはいかがでしょうか。ハチクの筍はなくともヤマウドの酢味噌和えや天ぷらは大丈夫です。季節を食べるメニューをお楽しみに。    容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/ or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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