'05年04号 No.83

☆作業日あれこれ☆

午後のシイタケ菌打ち班

 3月第2土曜日の朝は、目を覚ますと枕元に強い雨音が聞こえてきました。こりゃー、シイタケの菌打ちを雨の当たらないところでするしかないなと考えながら寝床を出たのが6時過ぎでした。(クマは年齢のせいか早起きなんです!) 普段の心掛けなんでしょうね。家を出る頃には雨は上がっているではありませんか。しかし、この朝方の雨にたたられたのか、参加者の出足はもうひとつでしたが、時間になれば観察会が始まります。
 前日に悪戦苦闘していた三平モドキに同情して、今回は少し助け船を出してしまいました。萌芽更新の森で前月にもやかきをした切株の観察の提案です。萌芽は切株から大きな木を支えていた根が蓄えていた養分や新たに吸収した養分を使用してぐんぐん大きくなりますが、数年を経てもやかきをする頃には、元の切株は朽ち始め、成長した萌芽から新たな根が古い樹皮を覆いながら地中に降りて、古い根に代わって地中から養分を吸収するようになります。萌芽更新は、最初は古い根を使用しながら最終的には新しい根に置き換わっていくのです。朽ちた切株も新しい萌芽が太くなって取り込まれる様に消失します。(地上から高い位置で伐採した場合は少し様子が異なります。) 観察会ではこの様子を確認しましたが、参加者には、萌芽更新は単に切株に新しい脇芽が出て成長するだけと思いこみがちで、新しい発見だったようです。

  この日の作業のメインは、シイタケの菌打ちです。担当リーダーは、炭焼窯の様子を気にしながら(前日より炭焼中)の名人と大先生で、もっぱらドリルで穴開け(&片目で女人の観察中)です。この作業は体力が余りいらないからと女性と優男(?)が多かったのですが、用意したほだ木は例年よりも数が多く、しかも太い物も多く、大変だったようです。用意した4千個の種駒を打ち終えましたが、ほだ木はまだ残っており、週日の作業に回す予定です。1年半後にシイタケが発生するのが楽しみです。
 青年部長はこの日もタケとの格闘、前月やり残したドングリ広場で生き残っている根から発生しているタケ退治です。作業のし易いナギナタモドキを廃して、ノコギリだけを使用して丁寧に根本から刈り取りです。午前中はこの作業に没頭、午後はいつもの竹林整備です。例の軽トラ野郎殿はお休みでしたので、軽トラックの暴走はありませんでしたが、作業はいつもの通りだったようです。
 草原広場の隅、防火水槽の近くでは林床整備作業はアラカシの伐採でしたが、この日は小枝を粉砕するチッパーのベルトが破損してしまい、チップにすることができず、小枝が山積みとなってしまいました。なおこのチッパー、後日、ベルト交換後、なぜかエンジンかかからなくなってしまいましたが、親方と新人スタッフのトミーがキャブレターやプラグを掃除して直してくれました。トミー曰く、「わしゃ、百姓の子、これくらいの機械は直すわいな。」とのこと。精々これからこき使うことにします。

  お昼はきりたんぽ鍋でしたが、このきりたんぽは、前日にフトン屋がご飯を炊いて潰し、ヤダケに巻きつけて炭火で焼いてこしらえた物です。学生時代数回しかご飯を炊いたことがなく、お昼はメロンパンで済ませていた男がよくここまでやるようになったものです! 他には丁字麩の芥子和えや揚げ物、差入れのサツマイモの茎の佃煮、赤カブの漬け物などで盛り上がりました。この日は大阪から里山保全活動を研究対象にしている社会人学生の参加もあったのですが、この人物、男であるにも拘わらず焼鳥名人に捕まるところとなり、彼を囲んでいつものトラ御用達テーブルではお昼の延長戦が演じられておりました。

懐かしいドラム缶炭焼き

 第4水曜日(3/23)は、前日より天候を心配していましたが、予感的中、作業の始まりの頃こそ曇りでしたが、その内に本格的に降り始めてしまいました。作業は林床管理作業を中止して、前回の作業で残っていたほだ木に菌打ちです。せっかくチッパーのベルトを取り替え、エンジンを整備したのに、「残念!」と言う声が聞こえそうでした。この作業とは別に炭焼名人は、独りで交流広場でドラム缶を使用して炭焼です。これは、26日に予定している里山保全講座の炭焼実演のための仕込みで、久しぶりのドラム缶炭焼に、3年前、今の炭焼窯ができるまでの炭焼を、クマは名人と共に思い出しました。今昔の思いです。
  お昼は豪勢に焼肉でした。これは先の森の居酒屋に木登名人が大量に差入れして下さった肉が食べきれずに余っていたからなのです。この天候のために参加者も少なかったものですからたっぷりとごちそうになってしまいました。しかし、この日は焼鳥名人が不在、少々賑やかさに欠ける昼食風景ではありました。




4月27日(水) 週日活動森の居酒屋は4月6日 午後7時頃〜
4月9日(土) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森情報

  2月11日の合併により新市が誕生し、人事異動で今までは他の自治体の職員だった人の顔も東近江市庁舎(元八日市市庁舎)に目立っています。外に出ている河辺いきものの森のクマなどは、たまに本庁に行くとこちらも面食らいますが、市職員らしくない服装や態度ですので相手からもどこのどいつだろうという感じで見られることもしばしばです。しかし、河辺いきものの森に戻ると、旧八日市市の職員ばかりですので、合併したと言っても未だ八日市市の感じがなかなか抜けません。といっても今まで市外や県外の方の利用と市内の方の利用に差を設けていませんでしたので、市域が広がっても利用者向けのサービスに戸惑うことはありません。
 マルは施設の利用方法を説明した文書を、東近江市の総ての学校や幼稚園などに送付しました。全く利用のなかった旧愛東町の学校などの利用が増えるかも知れません(旧の他町は既に利用実績があります)。また、今までは別の自治体の施設であった探検の殿堂や菜の花館、ヘムスロイド村なども同じ新市の施設になりましたので、連携をして新しい利用方法を具体化していきたいと考えています。

☆遊林会のリストラ!

 今までは補助金を受けていました関係で半年や1年で遊林会のスタッフの交替がありましたが、補助制度がなくなり市が単独で総てを負担することになり、その縛りがなくなりました。恩恵を受けたのはフトン屋で、三平モドキと共に遊林会の常勤スタッフとして今年度も頑張ってくれることになりました。彼等、若いスタッフの働きに遊林会の自然体験学習や作業の準備は負っているのですが、その待遇は決して恵まれたものではありません。それで1月の森の居酒屋で彼等の社会保険加入を進め、少しは退職金を出せるようにしようと協議し、方針を決定しました。しかし、資金なくして実現することはできませんし、補助金で対応していた部分を市費で負担することを決定してくれた市にも、これ以上の負担を強いるわけにもいきません。そこで資金捻出のために決めたことは、常勤だった事務担当職員を非常勤化するなどして経費を節減することと、遊林会活動で資金を稼ぐことです。
 既に、昨年度より団体利用者に遊林会スタッフが付いた場合、可能な限り協力金をとお願いしていますし、非常勤の事務員についても事務が堪能でなおかつこのような勤務条件の方がよいという人物を見つけることができました。こう書くと誰だろうということになるのですが、ネタをばらすと1年前に事務を担当していたあの愛子様です。三平モドキなどは、またあの姉御にいじめられそうと警戒警報を発令しています。また顧問格の大先生は自ら「(財政が)厳しいのやろ、わしゃー、もらわんでも協力させてもらうで。」と申し出て下さいました。ありがとうございます。このようにして限られた予算の中で遊林会のリストラ(本来の意味は体質を強化するための再構築で、人件費削減のことではありません。今回のこれがまさしくリストラではないでしょうか。)が実現する運びとなりました。三平モドキとフトン屋は日給月給ですが、いわば遊林会の正社員となります。ますます頑張ってくれることでしょう。

☆3月は講座三昧

 自称・1年を1ヶ月で過ごす良い男・うしまろは、1年分の仕事を3月にもってきました(彼の名誉のために少々オーバーな表現であることを断っておきます。)ので、3月は毎週講座三昧でした。里山七彩(3/6)、森の環境学習推進講座(3/13)、里山保全活動講座(3/19、26)と言った按配です。それ以外に定例の作業日と河辺の森駅前広場整備ワーク・ショップもやりましたので、皆出席の炭焼名人などは何日参加されたことになるのでしょう。お付き合いありがとうございました。  里山七彩は、それぞれの分野で活躍されている著名な方々に、毎年継続したテーマでお話をしていただいていますが、その企画力にお褒めの言葉をいただくことが多い講座です。問題点は、これだけの講師陣をお呼びしながら、出席者が少ないことです。今年度、限られた予算の中で検討しなければなりませんが、里山七彩が五彩くらいになっても、身近な自然環境、新エネルギー、グローバルな視点で環境問題を把握するなどの講座を継続したいと考えております。
 森の環境学習推進講座は、肝心の教師の参加が少なく1年お休みをしていましたが、これについては改善することができませんでした。今後は、市の教育研究所とタイアップして、単発で夏休みにでもしたらどうかなと考えています。  里山保全講座は、合併後の市内で里山保全活動に取組んでおられる団体に呼びかけ、道具や機械の取扱いなどを中心に講座を開催しましたが、非常に好評でした。これについては予算をやりくりしてでも、市内のこうした活動を支援する意味で、再度実施したいと考えています。

 

☆4月のお昼は野草の天ぷらも

 そろそろ、タラノメの膨らみが気になるようになりました。ヤブカンゾウも新芽が出てきました。みんなおいしい山菜です。ヤブカンゾウはぬたに、タラノメは天ぷらです。そんな季節の料理を味わう予定です。  

 汁物を入れる容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:八日市市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/index.html or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ
この通信は、林野庁の「里山林のあらたな保全利用促進事業」補助を受けて発行しています。


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